鉄道に無賃乗車しようとする“ホーボー”と呼ばれる浮浪者たちと、それを阻止しようとする冷酷無比な車掌の対決を描いたロバート・アルドリッチ監督の骨太アクション
ストーリー:大不況真っ只中の1933年、オレゴン州。失業者たちは浮浪者となり、“ホーボー”と呼ばれていた。彼らは列車にタダ乗りして各地を移動しながら、その日暮らしの生活を続けている。だが、鬼車掌シャック(アーネスト・ボーグナイン)はそれを断固として許さず、無賃乗車を見つけ次第、凄惨な仕打ちを加えることで恐れられていた。そんな中、ホーボーたちから“北国の帝王”と呼ばれる男、Aナンバー・ワン(リー・マーヴィン)が、ジャックに真っ向から勝負を挑もうとするが・・・。
出演:リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン、チャールズ・タイナー、マルコム・アタベリー、ハリー・シーザー
★★★★★ ロバート・アルドリチ、その硬質の抒情
ロバート・アルドリッチ、と言えば『北国の帝王』というタイトルが瞬時に脳裏を走る。あの荒涼たる風景をバックに繰り広げられる男の意地の激突。この映画を初めて観た時、私は失業中だった。大阪の西成のドヤ街で日雇労働に明け暮れる日々の中で三番館で見たこの映画は私に生きる勇気と望みを与えてくれた。列車が走る荒野と原生林の風景をキャメラは、限りなく深い叙情で捉える。その硬質の抒情は、友情の交換にも似たR・マーヴィントA・ボーグナインの死闘シーンにもたっぷり滲んでいる。生きることが面倒になったらこの映画を見ることを勧める。
作品の詳細
作品名:北国の帝王 |
原作名:Emperor of the North Pole |
監督:ロバート・アルドリッチ |
脚本:クリストファー・ノップ |
公開:アメリカ 1973年3月23日、日本 1973年12月22日 |
上映時間:122分 |
制作国:アメリカ |
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