ロス・マクドナルドの人気探偵小説を原作に、ポール・ニューマンが洒脱な私立探偵を演じるハードボイルドミステリー
ストーリー:私立探偵のハーパーはある日、友人の弁護士アルバートの紹介で、失踪した大富豪サンプソンの捜索を請け負う。ハーパーは、サンプソンの周囲を調るうち、犯罪組織が暗躍していると推測。そんな時、サンプソン夫人のもとに大金を要求する脅迫状が届く。ハーパーは指定された金の受け渡し場所に向かい、金を持ち去った男の死体を発見したが、金はなくなっていた。それまでの経緯を検証したハーパーは、犯罪組織の本拠地を突き止め・・・。
出演:ポール・ニューマン、ローレン・バコール、ジュリー・ハリス、ジャネット・リー、ロバート・ワグナー、シェリー・ウィンタース、パメラ・ティフィン、アーサー・ヒル
★★★★★ ハードボイルドの典型です
チャンドラーの後継者と言われるロス・マクドナルドの小説を、ジャック・スマイトが切れ味鋭く演出。展開そのものよりもディティールに拘るハードボイルド物を、情感豊かに映画化しました。私は原作も読んでいてハードボイルド好きですが、原作に負けず劣らず映像化しています。主役のニューマンは若い頃の彼の他の作品同様に、演技し過ぎなところがありますが、それがまた良いんです。カメラアングルもコミック調なところもあり、時代の雰囲気満点の傑作です。
★★★★☆ 真摯に、投げやりに
ハードボイルドであるはずなのに、ポール・ニューマンが演じると飄々とした雰囲気が表に出て、痩せ我慢気分が出ないなぁ。でも、それは決して味を損ねるものではない。自分が引き受けたことには真摯に取り組むのに、人生そのものには投げやりな感じ。ロスの陽光の下でそれは独特の光と影を放つ。奥さんのジャネット・リーはどうしても「サイコ」のイメージがよぎるが、ろくでなしを好きになってしまった女心をうまく演じている。目玉焼きを一つずつつぶしていくシーンは印象的。車の運転の実写のシーンは少ないが、さすがにポール・ニューマン、さまになっている。
作品の詳細
作品名:動く標的 |
原作名:Harper |
監督:ジャック・スマイト |
脚本:ウィリアム・ゴールドマン |
原作:ロス・マクドナルド『動く標的』 |
公開:アメリカ 1966年2月23日、日本 1966年7月14日 |
上映時間:121分 |
制作国:アメリカ |
製作費:350万ドル |
興行収入:1200万ドル |
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