ショーン・コネリー扮するロビン・フッドとオードリー・ヘプバーン演じる恋人マリアンの恋の行方を、民衆を苦しめる悪徳代官との戦いを背景に描くラブロマンス
ストーリー:王の死により18年ぶりに故国イギリス、シャーウッドの森に戻ってきたロビン・フッド(ショーン・コネリー)。修道院の院長となったマリアン姫(オードリー・ヘプバーン)とも再会し、2人は愛の日々を送るようになる。昔と変わらぬ美しい森で最愛のマリアン姫と過ごす日々は、穏やかで満ち足りたものだったが、そんな折、民衆の有志が彼らを訪れる。イギリスの民たちは、ジョン王(イアン・ホルム)とノッティンガムの代官(ロバート・ショウ)の悪政に苦しめられており、ロビンに助けを求めに来たのだった・・・。
出演:ショーン・コネリー、オードリー・ヘプバーン、リチャード・ハリス、ロバート・ショウ、ニコル・ウィリアムソン、イアン・ホルム、ロニー・バーカー、デンホルム・エリオット、ケネス・ヘイ
★★★★★ 老いた英雄の最期
ロビン・フッドやその仲間たち、恋人マリアンの老いと愛着を描いた作品。老いた身体となっているため、戦闘シーンなどはまことに冴えない。それをこれでもかというくらい描いており、ロビン・フッドという名から颯爽としたシーンを期待すると裏切られる。他方、毅然とした高貴さはロビン及びマリアンともに健在であり、ロビンはときおり若々しい冒険心すら見せる。しかし、この映画でみるべきものは、老いて再会した恋人同士の愛情、仲間や思い出の森への愛着、つまりは老人にとってのこの世との絆とそれらとの別れ方であり、ヘップバーンの演技によって、まことに美しく描かれている。50歳をすぎて初めて味わうことのできる名画ではないだろうか。
★★★★★ 初老の美しさが際立つオードリー。
老いたロビンフッドの物語。コスチューム劇ねえ・・・と思いつつ見たらこれがとんでもない傑作、オードリーとショーン・コネリーとの息もピッタリ、監督は何とリチャード・レスターだった。十字軍遠征から帰還したロビン・フッドがシャーウッドの森に戻ってみると、かつての恋人「マリアン」は修道女になっていた。折しも国民はジョン王の圧制に苦しみ、国内は怨嗟の声で溢れていた。ロビンは国王打倒のため仲間たちと立ち上がるのだが・・・。時代劇はオードリーのキャリアの中ではこの作品だけ、彼女は肩の力を抜いてまるで昨日のことのように生き生きと演じている。スクリプトを読んで「大人の女としてのマリアン」に彼女のモチベーションは掻き立てられ、8年のブランクを破ることとなったのだそうだ。ショーン・コネリーがこれまた素晴らしい。「風とライオン」などコスチューム劇にも実績があり、演技に安定感がある。これまた「大人の男」を演じるに余りある配役だろう。時代劇とはいえゼフィレッリ監督あたりとは一味違う映像感覚も見所、シャーウッドの森やノッチンガムの城塞、そして周辺の情景などフィールド全体をスケール感を持って捉えている。とはいえいたずらにスペクタクルシーンなどを入れず、むしろそれをこじんまりと見せてしまう気取りのなさもレスター監督の感性か。二人の主役が等身大に描かれフォーカスのはっきりした明快な作品に仕上がっている。
作品の詳細
作品名:ロビンとマリアン |
原作名:Robin and Marian |
監督:リチャード・レスター |
脚本:ジェームズ・ゴールドマン |
公開:アメリカ 1976年3月11日、日本 1976年8月14日 |
上映時間:106分 |
制作国:アメリカ、イギリス |
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