ドラマ

さすらいの航海

船は木の葉のように波間を揺れ、涙はとめどなく頬を流れる……神よ、私達が何をしたというのですか!

ストーリー:1939年5月、ハンブルグ港から937人の乗客とともに客船セントルイス号はキューバに向けて出航した。乗客の大半がユダヤ人だった。冷静で責任感のある船長シュレーダー(マックス・フォン・シドー)はクリスチャンだが、ユダヤ人に同情的だった。船にはゲシュタポに追われている弁護士のカール(サム・ワナメイカー)と、妻(リー・グラント)と美しい娘アンナ(リン・フレデリック)、高名な大学教授のクライスラー(オスカー・ウェルナー)と、妻(フェイ・ダナウェイ)、娘の元へ向かうハウザー夫人(マリア・シェル)、教師のジョセフ(ジョナサン・プライス)、船長付のグンター(マルコム・マクダウェル)らがそれぞれの思いを持って乗っていた。やがて、キューバに到着するが、ナチによる反ユダヤ感情の煽りを受けて、キューバ政府が上陸を拒否し、船内に暗雲が立ち込めた。すぐさまユダヤ救済機関のトローパー(ベン・ギャザラ)は、乗客の上陸許可を求めて手を尽くそうとするのだが・・・。

出演:フェイ・ダナウェイ、オスカー・ウェルナー、マックス・フォン・シドー、マルコム・マクダウェル、キャサリン・ロス、オーソン・ウェルズ、リン・フレデリック、リー・グラント、ベン・ギャザラ、ジェームズ・メイソン、ホセ・フェラー、フェルナンド・レイ、サム・ワナメイカー、ジョナサン・プライス

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ フェイ・ダナウェイ出演

舞台は1939年。歴史に詳しくないが、チャップリン「独裁者」もこの頃の製作で、ナチスによる収容所の存在は知られていたが、大虐殺の実態までは明るみにされていなかった頃。ユダヤ人を解放するかのように見せかけるが、その希望を打ち砕き、ユダヤ人受け入れを拒否するのはドイツだけではないと、ユダヤ人を見せしめにすることを考えた、性根の腐った悪い奴がナチスにいた。まさしくディアスポラそのもので、ユダヤ人が受ける迫害、受難は想像を絶する。ウイーンの歌を聴いて心揺さぶられる人々は、ユダヤ人である前にドイツ人であると。船長はクリスチャンである前に人間であると。故郷、家族、そして人間は、政治、人種、宗教、文化を超えて、ドイツ人船長とユダヤ人医師とのように心を通わせる根幹である。

作品の詳細

作品名:さすらいの航海
原作名:Voyage of the Damned
監督:スチュアート・ローゼンバーグ
脚本:スティーヴ・シェイガン
公開:アメリカ 1976年12月22日、日本 1977年8月27日
上映時間:155分
制作国:アメリカ、イギリス
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