夜のニューヨークを救急車が駆け抜けていく。サイレンの数だけ、悲劇がある。
巨匠マーティン・スコセッシ監督と脚本家ポール・シュレイダー。全世界に空前のセンセーションを巻き起こした『タクシードライバー』の黄金コンビが、ニコラス・ケイジを主演に迎え、再びニューヨークの悪夢に挑む衝撃の人間ドラマ。スピーディーで緊迫感に満ちた映像は、挑発的なまでのリアリズムとブラックなファンタジーが同居する1990年代の前半のニューヨークを舞台に、精神の崩壊と救済の瀬戸際に立つ一人の救急救命士の3日間を追っていく。
原作は9年間にわたって救急救命士としてニューヨークに勤務したジョー・コネリーのデビュー作。発表と同時にセンセーションを巻き起こし「救急車版の『タクシー・ドライバー』」と評されたベストセラー小説だ。人の命を救うことにエクスタシーにも似た悦びを感じながらも、あまりにも多くの悲劇を目撃してしまったために、死者の亡霊にとり憑かれてしまう主人公のフランク。演じるニコラス・ケイジは緻密な役作りと内面的なエネルギーの輝きが全米の評論家の大絶賛を浴びている。また、主人公の魂の救済の最後のチャンスとなるヒロイン、メアリー役には、ケイジと夫婦初共演となるパトリシア・アークエット。フランクと救急車に同乗するクセ者揃いの相棒たちに、ジョン・グッドマン、ヴィング・レイムス、トム・サイズモアら個性派俳優が結集し、凄みの効いたブラック・ユーモアが炸裂する。
ストーリー:フランク・ピアース(ニコラス・ケイジ)は救急医療の最前線で患者を死の淵から救う救命士だ。自らの職務に誇りを持ち、腕に自信を持っていた。少なくとも1年前までは・・・。人命を救うという偉大な仕事は、最初はフランクに無限の悦びをもたらした。だが、その悦びもやがては色褪せていく。数えきれないほどの人々が、なす術もなく死んでいくのを見続けてきた彼は、次第に救えなかった死者たちの亡霊たちにとり憑かれていった。とりわけ、ローズという名の少女の亡霊が彼につきまとう。救急車で街を走っていると、誘いをかける娼婦たちや、物欲しげなジャンキーたちの顔が、気がつくとローズの顔に変わり、無言のままフランクを責め立てるのだ。「なぜ助けてくれなかったの、フランク?」と・・・。フランクの魂は、いまや燃え尽きる寸前。そんな時、彼は心肺停止から辛うじて蘇生した男の娘、メアリーと出会い、昏睡状態の父を見守る彼女の心の支えとなる。メアリーとの暖かなふれあいは、フランクにとって魂の救済への最後のチャンスなのかもしれなかった・・・。
出演:ニコラス・ケイジ、パトリシア・アークエット、ジョン・グッドマン、ヴィング・レイムス、トム・サイズモア、マーク・アンソニー、クリフ・カーティス、シンシア・ローマン、ネスター・セラーノ
★★★★★ 現実か幻か?
ニコラス・ケイジ演じる救命士のフランクの視点と超危険なNYの町そこで毎夜起こる多種多様な事件の視点とがスピディーかつダイナミックに入り乱れてて、現実なのか幻なのか判らないような雰囲気を出してる。過去に自分のミスで一人の少女を死なせてしまったフランク。彼はその亡霊に怯えながら、あの世ともこの世ともとれない狭間でもがいて精神喪失状態スレスレ。そんな極限の心理をニコラス・ケイジが超一級の演技で魅せてくれます。全体的に重い雰囲気だが、バリバリ音楽流して救急車で暴走するシーンは、ある種爽快だから不思議だ。暴力とユーモアと芸術が入り混じってる所はスコセッシ監督らしい。
★★★★★ ひさびさにアメリカ映画でガツンときた。
無精髭を生やし、目の下に隈をつくって、やつれるほどかっこいい俳優はニコラスケージをおいて他にはいないだろう。
全編をとおしての夜の闇と車やネオンのライトに、太陽の光が差すシーンの神々しい明るさが対比してとても印象的。脇役陣への細かな演出も面白かった。私は必見の逸品だと思う。
★★★★☆ これはおもしろい!
昔みた『タクシー・ドライバー』は当時若すぎたのか、いまいちよくわからなかったけど、この「救命士」は文句無しにおもしろかったです。救命士の仕事をする男の苦悩の日々を描いているこの作品ですが、それよりイカレタ相棒とのやりとりや救急病院内の様子など他にじっくり楽しめるとこがたくさんあります。(めちゃくちゃハードな仕事だなぁ・・・精神的にまいりそうと思うかもしれないけど)場面にそぐわないような音楽ばかりかかってたけどBGMも変わっててすごくいいです。所々、場面の早回しの仕方など凝ったところもあって(しかもセンスがいい)、楽しめます。全体的になにかレトロなつくりを感じました。フランクの疲れきって悟りきったような口ぶりも印象的ですし、ときどき幻のようなものが出てくるところも物語に深みが出ていいと思いました。しかしこの重たい内容なのに、私はところどころ笑みを浮かべてしまうところがあったのです。例えば、フランクが気にかけている女性の父親が「死なせてくれ」とフランクに声をかけたのだが(実際にはフランクにしか見えていないのだが)延命措置が始まったとき電気ショックをされるたびに「サノバビッチ」と父親が普通の声で言うのが、タイミングが絶妙なのと声が普通すぎて笑ってしまいました。この映画は強いメッセージを発しているようで、実はバリバリの娯楽映画なのでは?というくらい私にはおもしろい作品だったのですが、他の人のレビューが辛口なので、少々驚きです。人は選ぶ映画のようですので万人向けではないようですね。おもしろいんだけどなぁ・・・。
★★☆☆☆ 精神世界
「救命士が厳しい仕事だ」、という点は非常によく描けているし、人の死と毎日向き合う救命士の精神がおかしくなっていく様子の見せ方がエキセントリックで面白いが、終わり方にイマイチ不完全な感じを受けてしまい★ふたつ。
★☆☆☆☆ なんだろうね。
正直言って見る必要なし。ニコラス・ケイジファンなら見てもいいかもね。ストーリー性に乏しく、引き込まれる要素は無い。ストレスで壊れかかっているって雰囲気と心情は伝わってくるけどね。って事はニコラス・ケイジは好演しているってことか? どっちにしても、同じお金を出すのなら、違う作品にしたほうが賢明って思えるよ。
作品の詳細
作品名:救命士 |
原作名:Bringing Out the Dead |
監督:マーティン・スコセッシ |
脚本:ポール・シュレイダー |
原作:ジョー・コネリー |
公開:アメリカ 1999年10月22日、日本 2000年3月25日 |
上映時間:121分 |
制作国:アメリカ |
製作費:5500万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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