ニュー・オーダーの前身として今や伝説のバンドとなったジョイ・ディヴィジョン。そのボーカリスト、イアン・カーティスの波乱に満ちた半生を描く衝撃作!
ストーリー:イングランド北東部の田舎町に育ったイアン(サム・ライリー)は、やがて恋に落ちたデボラ(サマンサ・モートン)と結婚。19歳の若さで家庭を築いた彼は、地元の職業安定所で働きながら、バンド活動に精を出しはじめる。しかし、ロンドンで初ライブを行った1978年、イアンは原因不明の大きな発作に見舞われ・・・。
出演:サム・ライリー、サマンサ・モートン、アレクサンドラ・マリア・ララ、ジョー・アンダーソン、ジェームズ・アンソニー・ピアソン、トビー・ケベル、クレイグ・パーキンソン、ハリー・トレッダウェイ、リチャード・ブレマー
★★★★★ 結局は自己肯定感の低さが招いた「コントロールの喪失」
このバンドの事は知らなかったのもあり、つい専門家目線で見てしまった。自己肯定感の低さから来る満たされなさ。それを埋めるための結婚、アルコール、不倫。そして、どれに対しても自己嫌悪。不健康な生活が重なり、てんかんも悪化していき、だんだん精神が不安定になっていく。まさに「コントロールを失う」。自力じゃ抜け出せない領域にはまり込んでいく。実在の人物なだけに、自己肯定感が低い人が自分を追い詰めていく様子がリアルに見れました。もし彼が、まともな精神科治療やカウンセリングが受けられていたら・・・。
★★★★☆ JOY DIVISIONという春を生き急いだ男の話
JOY DIVISIONというあまりにも短い青春を描いた伝記映画。U2の写真家として有名なアントン・コービン初監督作品。前編モノクロ映像で淡々と進む映画で、映画初主演であるサム・ライリーが、イアン・カーティスの自己破壊的な孤独を見事に演じきっている。そのイアンの妻であったデボラ・カーティスの著作『タッチング・フロム・ア・ディスタンス』を元に制作されているため、デボラの目線で描かれるシーンも多々あり、ロック・スターとしてよりも、人間としてのイアンを見せている。けっきょくイアンは自分以外のすべてを愛せなかったのだと思う。そして、自分さえも愛せなくなり、すべてに押し潰されて台所でひとり果てる最期のシーンは、わかっていながらも目を覆いたくなるほど痛々しい。彼のすべてを肯定することはできないが、彼が遺したすばらしい音楽に敬意を。
作品の詳細
作品名:コントロール |
原作名:Control |
監督:アントン・コービン |
脚本:マット・グリーンハルシュ |
公開:フランス 2007年5月17日、日本 2008年3月15日 |
上映時間:119分 |
制作国:イギリス、アメリカ |
製作費:640万ドル |
興行収入:890万ドル |
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