「ママはまだ生きているの?」 どんなに時が経っても、母の手のぬくもりは誰も忘れない
ストーリー:1986年、マーガレット(エミリー・ワトソン)は、イギリスのノッティンガムでソーシャルワーカーとして働いていた。結婚して子どもにも恵まれた彼女は、ある女性から衝撃的な告白を聞く。当時児童養護施設にいた4歳の彼女は、何と船でノッティンガムからオーストラリアまで送られたというのだ。彼女はそのことをきっかけに、本件に関して調査を進めていくと、ばく大な数の子どもがいることを知り・・・。
出演:エミリー・ワトソン、デビッド・ウェナム、ヒューゴ・ウィーヴィング、リチャード・ディレーン、アシュリング・ロフタス、ステュアート・ウォルフェンデン、ロレイン・アシュボーン、フェデレイ・ホームズ、ケイト・ラッター
★★★★★ 事実に基づく重い映画
人間が持つ「自分が何者なのかわからない」不安感、「自分は無価値な存在なのではないか」という自己肯定感の低さ。それは、幼い頃に親から引き離され、過酷な状況に育ったことや、性的な虐待を受けたことによるPTSDとも言えよう。そういう子どもたちが、国家間の取り決めによって生み出されてしまった悲劇。あってはならない事実だけに、大人は認めず、その事実から目を背ける。この映画では、UKとオーストラリア間の出来事を描いているが、人類の歴史では、他にも同じようなことが多々ある。過ちを繰り返さないためには、事実を受け止め、認めることが大事である。そんなことを改めて気づかせてくれる映画。
★★★★☆ 孤高の闘い
イギリスとオーストラリアの政府間でどんな取り決めがされたのか不明ですが、13万人の児童が両親と離れて移民させられた事実に驚きました。きちんとした施設に収容された児童もいたのでしょうが、映画で取り上げられた施設では、児童に対する性的虐待も行われていたようで、児童の心に深い傷跡を残してしまいました。私たちは、戸籍謄本を見れば自分のルーツを確認できますが、映画の児童たちは、成人してから自分が誰なのかを知りたいのです。何らかの理由で孤児になってしまった児童が多かったのでしょうが、彼らのルーツを探してあげるのは、人道上の使命と思われます。主人公は孤軍奮闘でした。今は改善されているのでしょうが、組織的なバックアップが必要でした。
作品の詳細
作品名:オレンジと太陽 |
原作名:Oranges and Sunshine |
監督:ジム・ローチ |
脚本:ロナ・マンロ |
公開:イギリス 2011年4月1日、日本 2012年4月14日 |
上映時間:106分 |
制作国:イギリス、オーストラリア |
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