たとえ最後の一人になっても、この街で生きる
ストーリー:サンフランシスコで生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、祖父が建て、かつて家族と暮らした記憶の宿るヴィクトリアン様式の美しい家を愛していた。変わりゆく街の中にあって、観光名所になっていたその家は、ある日現在の家主が手放すことになり売りに出される。この家に再び住みたいと願い奔走するジミーの思いを、親友モント(ジョナサン・メジャース)は、いつも静かに支えていた。今や”最もお金のかかる街”となったサンフランシスコで、彼は自分の心の在り処であるこの家を取り戻すことができるのだろうか・・・。
出演:ジミー・フェイルズ、ジョナサン・メジャース、ダニー・グローヴァー、ティシーナ・アーノルド、ロブ・モーガン、マイク・エップス、フィン・ウィットロック、ジャマル・トゥルーラヴ、マクシミリアン・エウォルト、ジェロ・ビアフラ、サン・クイン、ソーラ・バーチ
★★★★★ 家=人類にっての中心=神殿
人には中心が必要であり、ある部族などは「聖柱」を失うと世界が終わると考えていたそうです。人がもし中心の概念を持たなければ、世界は混沌とした大海原となり、その人はその大海原の漂流者、迷子となります。ではその中心とは何か?この映画の主人公にとって、あの家は世界の中心でした。その家は彼の人生の起源を教え、その町の歴史を保存していました。彼の先祖が誰か、彼らがどのようにしてその街にやって来たかを教えてくれる神話だったのです。その家が建っている限り、彼は今の自分の存在を肯定することができ、地に足をつけることができました。その家は彼にとって聖柱であり神殿でした。その家を失うと、彼は暗闇の大海原に一人ぼっちで投げ出されたようになってしまいます。帰る場所を失い、彼自身の歴史を失い、彼の世界は終末を迎えてしまいます。世界は破壊されカオスに転じてしまいます。すべてがひっくり返ってしまいます。主人公は普遍的な人を指していると思います。人はそれぞれに中心、居場所、神話、帰る場所を持っています。それは一見すると荒唐無稽で、学問や法律で簡単にひっくり返されてしまいます。しかしその荒唐無稽な神話は、人びとの生涯のよりどころなのです。この映画はそれをどのように守ってやるべきか、われわれに問いかけているようです。そしてその居場所を失った人たちは、暗闇の大海原をどのように航行していったらいいのでしょうか。
★★★☆☆ 良くも悪くも
サンフランシスコや人種的なことなど、アメリカの文化に疎いからかもしれないが、全体的に乗れなかった。画はすごく良くて、それで見れていたという感じ。テーマ的には分からなくはなかったけれど、不法占拠した挙句勝手に感傷に浸るというのも迷惑な話だとちょっと思ってしまう・・・伯母さん?がいちばん大人で、不動産屋もなんなら優しかった。主人公はただ幼く、逃げる事しか出来なかったのは、そのせいじゃないのか。まあサンフランシスコのせいということなのでしょうけど。ただ、最終的に自分の中で折り合いをつけ、街への愛憎を自覚したとこはろはよかったです。
作品の詳細
作品名:ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ |
原作名:The Last Black Man in San Francisco |
監督:ジョー・タルボット |
脚本:ジョー・タルボット |
公開:アメリカ 2019年6月7日、日本 2020年10月9日 |
上映時間:120分 |
制作国:アメリカ |
製作費:200万ドル |
興行収入:460万ドル |
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