午後2:37 そのとき 誰かが命を絶つ
ストーリー:爽やかな陽射しが降りそそぐ校庭、何気ない会話と笑い声が響く校舎、友達が集いあう教室。いつもと変わらない平凡な一日を過ごすかに見えた6人の高校生たちだが、ひとりひとりが人に打ち明けられない悩みや問題を抱えて、押しつぶされそうになっていた。だれもが自分のことで精一杯、学校という場で、あるいは家庭の中で、互いに傷つけあい、または無関心という暴力で他者をうちのめす。そして、午後2:37 そこで自ら命を絶つのはだれなのか?
出演:テリーサ・パーマー、フランク・スウィート、サム・ハリス、チャールズ・ベアード、ジョエル・マッケンジー、マルニ・スパイレイン、クレメンティーヌ・メラー
★★★★★ 考えさせられる
学校という閉鎖された空間で、それぞれ悩みを抱えた男女がででくる群像劇。ちょっと大げさかなと思う部分もありましたが、全体的になかなかよくできた映画だと思います。皆自分の事でいっぱいいっぱいなんだよね。孤独。無関心。ラスト、ハッと気づかされる事が絶対あるはず。涙が止まりませんでした。一度見終えたら、もう一回自殺した人の行動を見直してみて下さい。初見では気づかなかった場面もあるはず。(私はありました;)少々下品な表現、痛々しい場面もあるのでご注意を。
★★★★★ 心にグサリときます
高校の校内で起こった学生の自殺。誰が、なぜ自殺をしなければならなかったのか。何人かの生徒の行動を追う形でその日何が起こっていたのかを時間を戻して再現していく。監督自身の友人の自殺が、この映画を撮るきっかけだったそうだが彼(彼女?)が感じたであろう、自責の念や喪失感、悲しみなどがひしひしと伝わってくる良作である。最後に自殺した生徒が明らかになったときに、誰もが感じると思う。「ずっと見てたのに気付いてあげられなかったね」と。まさにこうした感情を抱かせることこそが、この映画の狙いだろう。そして最後のインタビューとその後につづくテロップが心にグサリと刺さる。聞けば、驚くことに撮影時には監督は19歳だったそうだ。若さゆえの鋭い感性が爆発した作品であるのだが、願わくば歳を重ねてもその感性を失わずに良い作品を生み出してほしいと思う。
★★★★☆ 大事な一日
冒頭で、誰かが自殺します。その後、数人の生徒に焦点をあててその子達の目線で物語りは進んでいきます。何も始まっていない朝から、一人の少女は部屋で泣きながらうずくまっていて、これから始まる辛い一日が見ていて苦しくなります。一見、何も無さそうで健康的で溌剌とした男の子の朝も、静かではあるけれど、不穏な始まりをしています。それぞれが、感じていることや、悩み、コンプレックスなどカメラに向かって語り、誰にでもある普遍的なことから、その年で背負うには重過ぎる事などが語られていき、見ていると誰が自殺してもおかしくないことを感じていきます。その日おこる出来事に向かって、静かにそれぞれの時間が過ぎて行き見ているこちらは、誰かが死ぬことがわかっているからか、彼らの切ない事情をわかっているからか、誰しもの事を抱きしめてあげたくなります。とにかく切ないです。とうとう事件は起こり、何故その子がそうしたのか、その子が見せる最後の何かを割り切ったような表情が、心にずしりと残りました。十代で感じる、切実な喪失感が、とても素晴らしいです。
作品の詳細
作品名:明日、君がいない |
原作名:2:37 |
監督:ムラーリ・K・タルリ |
脚本:ムラーリ・K・タルリ |
公開:オーストラリア 2006年8月17日、日本 2007年4月21日 |
上映時間:99分 |
制作国:オーストラリア |
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