太陽と花々に満たされた祝祭の果ては、究極の恐怖か、未体験の解放か・・・
ストーリー:アメリカで暮らす大学生のダニー(フローレンス・ピュー)と恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)、その仲間たちは、交換留学生であるペレ(ヴィルヘルム・ブロングレン)の故郷スウェーデンで夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭に誘(いざな)われる。その村では、90年ごとに9日間の浄化の儀式が行われ、人々は着飾って様々な出し物をするのだという。人里離れたヘルシングランド地方、森の奥深く、美しい花々が咲き乱れる“ホルガ村”を訪れた5人は“白夜”のもと、優しく穏やかな村人たちから歓待を受ける。しかし、閉鎖空間の中、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖、それは想像を絶する悪夢の始まりだった・・・。
出演:フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポールター、ヴィルヘルム・ブロングレン、アーチー・マデクウィ、エローラ・トルキア、ビョルン・アンドレセン
★★★★★ これは・・・
気が狂っとるこの映画と視聴後思いました。いろんな味の食材をぐちゃぐちゃにして、見た目だけ小奇麗にした料理を時間をかけてじっくり食べさせられる…そんな作品だと思います。エロ、グロ、笑い、得体の知れなさ、気まずさ、訳の分からなさ等色々入ってます。観光気分も楽しめました。普通じゃないものが見れるという期待で視聴したのでその点でも非常に満足できました・・・しかし気が狂ってるんですが、なにかと見せてくれるし、最後までやり切った?清々しさのような感覚もあって。こんなの作れるってすごいよねと思っちゃいました。
★★★★★ 最も在りうるディストピアとそのパーツでしかない人間をやめたものたち
『ガイアナ人民寺院の悲劇』みたいな話かと思ったら『未来世紀ブラジル』だった。皆覚悟を決めて信仰と共同体の一部になることを幸福とし、そこに紛れ込んだ異分子たちから見てもその異常性は完成されている。彼らに個性はなく、もはや人間であることを捨て去り、共同体を維持するための部品でしかない。主人公は現代社会の落後者であり、異常な集団にこそ救いのようなものを見出すが、彼女の今後には暗いものしか感じない。インフルエンサーや強い言葉を吐く詐欺師、美少女キャラの皮をかぶったネットキャバクラ、口先だけの政治家、なんでもいい、情報へのアクセスが容易になったことで以前よりもはるかに宗教が生まれやすい環境になった現代だからこそ、この気持ち悪さの鑑賞は娯楽化し、常態化し、一つの結実ともいえるのがこの映画だ。皆自身が恵まれた個人であるふりをしながら、実質ただ消費されるだけの物でしか無い事から目を背け生きている。死の間際で自身の弱さをどうしようもなく刻み付けられ、無様に命乞いするしかないというのに。この映画の中で死ぬ人間の断末魔はそんな愚昧を嘲笑し、人間の弱さを克明に描写することで幼稚なヒューマニズムや脆弱な哲学を粉砕し冒涜し、その先にある人間の本性を明らかにしている。二度と見たくない映画だが、間違いなく傑作だと思う。
★★★★☆ ホラー映画としては普通ですが、美と醜の調和した空気が素晴らしい
ネットで考察を読んで面白そうだったので、ずっと視聴したかった映画です。ストーリーだけ見ればごく普通のホラー映画のようですが、演出が素晴らしいですね。悪い薬に酔ったような不安感、酩酊感を存分に味わうことができました。映画館で観るときついという感想を見ましたが、確かにそうだろうなと思います。映像と音楽で感覚的に不安にさせられるので、繊細な人は本当に悪酔いしちゃいそう。グロ要素もあるのですが、直接的に血や肉がドバドバみたいなグロではなく、静かにグロテスクなのが、逆におぞましい。肉体的なグロもありますが、精神的なグロがおそらくメインですね。人が死ぬシーン自体はアッサリしているのですが、その後の扱いが・・・すでにネットに充実した考察がありますが、小物による伏線や隠喩もふんだんに登場するので、二度三度と楽しめそうです。北欧の知識や絵画の知識があるひとなら、すぐにピンと来るのかも知れませんが、私は考察に遠慮なく頼りました(笑)色々な場面で「絵画」が画面に映るので、そこは知識なしでも「何かあるな」と気付けますね。ホラーや怖い芸術的なものが好きな方は楽しめると思います。繊細な方はちょっと気をつけた方がいいかも・・・。
★★★☆☆ 怖いではなく気持ちの悪い作品
何故話題になってるのかは見て理解しました。作品に対しての考察を見る或いはすることが好きな人は楽しめる構造になってると思います。在り来たりなホラーを期待する方は見ない方がいいです。自分もそれでした。話題になるのも理解はできる、ですがこれは製作者と一部の声が大きい視聴者の自己満足です。カルト映画だと思って下さい。ですが怖さではなく気持ちの悪さの表現はとんでもなく上手い作品です。言いようのない不快さを味わいたい方は見ることをおすすめします。
作品の詳細
作品名:ミッドサマー |
原作名:Midsommar |
監督:アリ・アスター |
脚本:アリ・アスター |
公開:アメリカ 2019年7月3日、日本 2020年2月21日 |
上映時間:141分 |
制作国:アメリカ、スウェーデン |
製作費:900万ドル |
興行収入:4800万ドル |
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