友好的宇宙人が地球人に救いの手をさしのべた・・・
ストーリー:宇宙からの来訪者クラトゥ(マイケル・レニー)は、全銀河系の要請として地球上の暴力的闘争の即時的中止を勧告するために銀色のロボット、ゴートをひきつれてワシントンに飛来、合衆国大統領との会見を申し込むがあえなく拒絶される。彼は暴力には否定的だが、強力な力を持っている事を示すため、30分間だけ地球の機能を静止させた。地球の静止する日である。しかし、クラトゥを危険視した地球人は軍隊を派遣して射殺してしまう。物言わぬ巨大ロボット、ゴートが怒って暴れ出し、クラトゥの死体を持ち去るが・・・。
出演:マイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ、フランシス・ベイヴィア、ロック・マーティン
★★★★★ 70年前の作品!?
70年前に製作されたとは思えない、静かで筋の通った作品です。近代の超ハイテク宇宙人モノ映画とは一線を画します。平和を唱えている者にまで銃口を向け、あまつさえ発砲してしまうあたりは当時の世相を反映して見えるし、21世紀の現代を見透かしていた様にも思えます。
★★★★★ 終戦から6年後、米国人の造った核戦争反対映画
1951年に公開されたハリウッドのSF映画です。勿論今から70年近く前の映画なのでモノクロ・フィルムを使用して撮影された映画です。モノクロ(=白黒2色)なのですが実はその色合いも階調深く温かみのある感じに仕上がっていました。冒頭から米軍の戦車が基地から次々と飛び出て来る場面では濡れた路面を90度直角に曲がる際、高速ドリフトを演じて見せてくれます。 戦車のドリフトなんてそう滅多やたらにお目にかかれるものではないのでこれだけでも貴重な映像でした。本作が公開された1951年というと広島に原爆が投下された6年後となります。終戦からわずか6年しか経過していないというのにこの監督は核戦争の危険性をSF映画に仕立てて市民に呼び掛けていた事になります。 核爆弾「リトルボーイ」の使用は米国人から見て「終戦を早めた」と評価されているようですが、実際にはこのように当時の米国にも「核爆弾反対論者」が存在していた事がこの映画からも垣間見れました。そういう点でも貴重な映画だと思われます。
★★★★☆ 特撮にケチをつける必要はない
古い作品であるから、技術に限界があるのは仕方がないこと。古い作品では、技術よりもポリシーが大切になる。地球外生命が地球を侵略するためにやってくるというストーリーはごまんとあるが、警告だけを与えて去っていくという作品は珍しい。戦闘シーンがない誰費用的には安く済むという利点はあるが、それだけに娯楽性は薄れてしまう。最近のCGなどを多用した戦闘シーンに慣らされた人にとってはつまらないだろうが、狭い地球、そんなに争ってどうするという精神は、これからも生き続けていかなくてはなるまい。
作品の詳細
作品名:地球の静止する日 |
原作名:The Day the Earth Stood Still |
監督:ロバート・ワイズ |
脚本:エドムンド・H・ノース |
公開:アメリカ 1951年9月28日、日本 1952年3月21日 |
上映時間:92分 |
制作国:アメリカ |
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