西部劇映画

夕陽に向って走れ

インディアンに実際に起きた事件をベースに、作家ハリー・ロートンが書いた小説を、脚本家として活躍するエイブラハム・ポロンスキーが監督をした西部劇

ストーリー:ネイティブ・アメリカンの青年ウィリー(ロバート・ブレイク)は、恋人ローラ(キャサリン・ロス)の父親を誤って殺してしまい、ローラと共に逃走する。それを追う保安官補クーパー(ロバート・レッドフォード)率いる非情の追跡隊は、ローラの遺体を発見。ウィリーが殺したものと判断され、ウィリーは追いつめられていく・・・。

出演:ロバート・レッドフォード、ロバート・ブレイク、キャサリン・ロス、スーザン・クラーク、バリー・サリヴァン、ジョン・ヴァーノン、チャールズ・エイドマン、チャールズ・マックグロー、シェリー・ノヴァク、ロバート・リプトン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ アメリカの病巣を鋭くえぐったポロンスキーの秀作

この作品西部劇の範疇に入れて良いのか微妙な年代設定だ。1909年のインディアンの居留区で起きた事件が元になっているからだ。すでに自動車が走る20世紀初頭のアメリカが舞台。ウィリー・ボーイ(ロバート・ブレイク)が恋人のローラ(キャサリン・ロス)と結婚する為に戻ってきたが、彼らの結婚を認めないローラの父親を誤って射殺してしまう。これだけなら、インディアンの世界の事件だが、ウィリー・ボーイとローラの逃避行の途中で白人の追手を撃ってしまう。このことが、白人のインディアンに対する復讐心をかきたててしまう。マイノリティに対する白人の執念のようなものが赤裸々に描かれているところが、赤狩りでほされたエイブラハム・ポロンスキーらしさか。逃げるウィリー・ボーイと共鳴する部分を持つ追手の保安官(ロバート・レッドフォード)もなかなか良い。当時、既に人気沸騰中の彼が、単なる正義の保安官でなく、インディアン居留区の監督官である女医(スーザン・クラーク)に迫るシーンや彼女との時間に溺れていたことから事件が大きくなったことに対する後悔等、生身の人間臭さがある。自分を追い詰めるストイックな部分がふたりの共通点なのかもしれない。そして、衝撃の結末を迎えた後、保安官の取った行動はまさにウィリー・ボーイに対する敬意の表れか。彼に抗議する白人に対して「土産ものは売り切れだ」と吐き捨てるシーンが何ともいえない。邦題通り、とにかく荒野を走りまくりロバート・ブレイクとキャサリン・ロスにはびっくりさせられる。チョット気になるのは、キャサリン・ロスがインディアン役からか黒く塗り過ぎところ。でも、デイブ・クルージンの抑えた音楽も渋くて最高だし、全体的に抑えた演出が冴えるポロンスキーの秀作だ。

作品の詳細

作品名:夕陽に向って走れ
原作名:Tell Them Willie Boy Is Here
監督:エイブラハム・ポロンスキー
脚本:エイブラハム・ポロンスキー
公開:アメリカ 1969年12月18日、日本 1970年3月28日
上映時間:98分
制作国:アメリカ
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