C・イーストウッドが『ダーティハリー』シリーズとは逆に、警察から追われる刑事役に扮し、監督もしたバイオレンスアクション!
ストーリー:フェニックスの町。ショックリー刑事(クリント・イーストウッド)は新任の上司から、ある事件の裁判で証言をすることになった売春婦ガス・マリー(ソンドラ・ロック)をラスベガスから地元に護送するよう命じられる。しかしその道中、ショックリーたちは行く先々で警官隊などから命を狙われる。いつしかショックリーは警官殺しの犯人として手配されており、それらはすべてガス・マリーの証言によって自分の立場があやうくなりかねない、ショックリーの上司が仕組んだ罠だった・・・。
出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック、パット・ヒングル、ウィリアム・プリンス、ビル・マッキーニー、マイケル・カバナー、キャロル・クック、マーラ・コーディ、ダグ・マクグラス、ジェフ・モリス、サマンサ・ドーン
★★★★★ 酒に溺れたヒラ刑事が汚職警部補に謀られて、証人と共に全署員たちの標的に!!
冒頭の気だるいジャズナンバーをバックに、無精髭のショックリー刑事が酒場から署へ出勤するシーンが既に切ない・・・この時点で哀しきダメ刑事っぷりがハリー・キャラハンとは大違いの雰囲気を顕している。新しい上司(ブレイクロック警部補)からの軽蔑した眼差しもどこ吹く風という感じ。そんな上司に着任早々重要証人の護送を命じられ、怪訝な表情で任務を受けるショックリー。このあと待ち受ける上司の陰謀と壮絶な銃撃に孤立する状況が彼を奮い立たせる・・・最後まで気を抜けないストーリーでした。
★★★★★ ゆっくりと進むバス
なんといっても圧巻は、市街地を数千発の銃弾の嵐の中バスが進むシーンでしょう。このシーンが圧倒的に素晴らしいのは、普通のハリウッド映画だったら銃弾の嵐の中をバスが猛スピードで駆け抜けるところを、この映画では“ゆっくりと”進むところ。待ち構える総動員された数百人の警官、皆銃を構え、命令を待ちます。そこに、交差点の影からゆっくりと姿を現すバス。この“ゆっくり”加減が絶品で、少しずつ、少しずつ迫ってくるバス。「撃て!」の命令の下、一斉に浴びせられる銃弾の嵐。とんでもない数です。それでも、穴だらけになっても、窓ガラスが割れても、そのゆっくりとした歩みを止めることはないバス。このシーンはずば抜けてかっこいい!
★★★★☆ もう一つの『ダーティ・ハリー』
クリント・イーストウッド監督6作目となる作品、イーストウッドふんする刑事の設定が少し違うが、少しだけテイストの違う『ダーティ・ハリー』と云える映画。特に後半のぶっ飛んだ主人公はそれを髣髴させる。ストーリーとしてはシンプル、最後も「あれ!?こんな終わり方?」と感じたが、映画の随所にイーストウッドのメッセージがちりばめられており、「そうだよな」と映画を見ていて感じることも多かった。これもファン必見の作品。
作品の詳細
作品名:ガントレット |
原作名:The Gauntlet |
監督:クリント・イーストウッド |
脚本:マイケル・バトラー |
公開:アメリカ 1977年12月21日、日本 1977年12月17日 |
上映時間:109分 |
制作国:アメリカ |
製作費:550万ドル |
興行収入:3500万ドル |
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