腐敗した司法制度に立ち向かう若き熱血弁護士の孤軍奮闘する姿を描いた社会派ドラマ
ストーリー:若き弁護士アーサー(アル・パチーノ)は、正義の名の下に権威を振りかざすフレミング判事と常に対立していた。ある日、フレミング判事が婦女暴行罪で訴えられ、しかも、敵対するアーサーに弁護を依頼。人々の信頼を得るアーサーが弁護をすることで陪審員への受けがよくなると考えたのだ。さらに、弁護を受ける見返りに、無実の罪で投獄されているアーサーの依頼人ジェフを保釈してやるというのだが・・・。
出演:アル・パチーノ、ジャック・ウォーデン、ジョン・フォーサイス、リー・ストラスバーグ、ジェフリー・タンバー、クリスティーン・ラーティ、サム・レヴィーン、ロバート・クリスチャン、トーマス・G・ウェイツ、クレイグ・T・ネルソン
★★★★★ 弱い、情けない演技も含めて観れて新鮮でした。
社会派法廷ドラマの傑作。アル・パチーノの演技が(強・弱入った)珍しいタイプの映画。単にテーマ性だけでも考えさせられるし脇を固める役者陣も、また丹念に細部まで描かれていて(凄い丁寧な描写)今の今まで観れる機会がなかったんですが、凄くいい映画でした。アルパチ映画は一通り観ましたが、これは新鮮でした。ホントに隠れた名作です。
★★★★★ 馬鹿正直に貫いた正義
必ずしも真実の裁きをするとは限らぬ判事。おおっぴらに行われる検事側と弁護側の司法取引。「万人のための正義」が存在すべき裁判で、事件の真偽そっちのけで、検事側と弁護側双方が「勝利」を求めて奔走する。そんな世界の真っただ中で、若き公選弁護人の主人公は、何処までも「正義」を貫き、司法制度の矛盾と裁判の不条理に挑む。彼が「馬鹿正直に貫く正義」が、まさにこの作品の見所。やはり馬鹿正直に正義を貫いた「セルピコ(1973年)」を思い出さずには居られなかった。しかし本作には「風刺劇」の要素があり、哀しみの中にもユーモアが散りばめられている。それだけにラストシーンはインパクトのある忘れられない名場面となった。フレミング判事から依頼された弁護。最終弁論で何をなすべきか、彼が下した判断は、「弁護士」という立場を捨てて弱者の無念を晴らすこと。涙を流しながらの迫真の名演はアメリカ映画史上に残る最高の法廷シーンとなる。社会派ドラマとして言いたいことははっきり言いながら、エンターテインメントとして「人を楽しませる」事も忘れていない本作品は、アル・パチーノの数多い代表作の一つとして絶対忘れられない。
★★★★☆ 弁護士の内面を描いた名作
弁護士を描いた映画と言えば事件や裁判を中心に描かれているが、この作品は弁護士の生活自体を描いている。もし、自分が弁護した殺人事件の裁判で無罪を得たが釈放後再犯を犯したら?絶対有罪で嫌いな人物を弁護しなくてはならなければ、裏取引を迫られたら、どうするか?そういう問題をこの作品は主人公に提起してくる、ぜひ弁護士を目指す人に見てもらいたい作品である。
★★★☆☆ ひねりはいらない
エンディング軽いと感じた。判事が性的倒錯者かつ色情狂の設定ならば、もう少し、本人のみならず周りに与える悪影響を深掘りして欲しかった。「justice」ならば気持ちよく勧善懲悪に。
作品の詳細
作品名:ジャスティス |
原作名:…And Justice for All |
監督:ノーマン・ジュイソン |
脚本:バリー・レヴィンソン |
公開:アメリカ 1979年10月19日、日本 1980年3月15日 |
上映時間:119分 |
制作国:アメリカ |
製作費:400万ドル |
興行収入:3300万ドル |
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