聴覚を失ったドラマーの青年の葛藤を描いたドラマ
ストーリー:メタルドラマーのルーベン(リズ・アーメッド)は、聴力を失い始める。医師に今後も悪化すると言われ、ミュージシャンとしての自分も人生も終わりだと考える。恋人のルー(オリヴィア・クック)は元ドラッグ依存症のルーベンをろう者のコミュニティーに参加させ、再びドラッグに走ることを防ぎ、新しい人生に適応できることを願う。ルーベンはろう者のコミュニティーで歓迎され、ありのままの自分を受け入れるが、新しい自分とこれまで歩んできた人生とのどちらかを選ぶのか葛藤する・・・。
出演:リズ・アーメッド、オリヴィア・クック、ポール・レイシー、ローレン・リドロフ、マチュー・アマルリック、マイケル・トウ
★★★★★ 依存の果てに人生にトドメを刺した絶望から聴こえたのは静謐か、騒音か
なんとなくメタルバンドの映画なのかなと思い視聴し始めたらグイグイと引き込まれました。主人公は2人組デスメタルバンドのドラマー。そしてメンバーでもありパートナーでもあった彼女はドラッグ依存から救ってくれた最愛の人。共にトレーラーハウスでツアーを回るという一心同体のような二人を難聴が襲い彼女の強い願いで聾者専用の更生施設?に入所しますが彼女とは会わないというのが条件。そう、彼はドラッグ、音楽、そして彼女という強く依存していた物から一気に離される事になります。個人的にこの映画のポイントはここなんじゃないかと思います。これは主人公の彼だけじゃなく彼女も同じく育った環境から依存体質でありその彼と離れた事で人生が変わっていきます。後に愛していると思っていたはずなのに彼女にはそれが無意識に強いストレスになっていたという事に二人は気づくのです。這いつくばるように生きてきた人生に難聴というトドメを刺された先に何を聴くか。何を見るか。何がわかってしまうのか。ちなみに施設長が精神が不安定な主人公を見かねて朝何もない部屋でノートに手が動くままに書き殴れと勧めます。これは実際にメンタル改善の効果が高いと言われているエクスプレッシブライティングという手法です。日に20分以上を4日間以上続けるとかなりの確率で効果が出ると言われているのでよかったらやってみてください。もう一つの見どころ(聴き所)に難聴の表現のリアルさがあります。難聴になったらどう聴こえるのか、難聴になるとどのような生活の変化が待っているのか凄くリアルに感じられました。ちゃんとストーリーとしても魅せる物がありますが聾者への理解という福祉への啓蒙も表現できている所は素晴らしいと思います。見ようかどうか迷っている方にはとりあえず見始めるのをお勧めします。
引き込まれる可能性は大いにあります。そして音楽を大音量で聴く癖がある方は是非w耳を大事にしたくなる事請け合いです!
★★★★☆ ヘビーメタルではありません。
メタルバンドのドラムが主人公の映画だと思っていましたが、全然違いました。聴力を失う人の話です。音が聴こえなくなっていく過程が凄くリアルで引き込まれます。音の工夫が凄く、通常の音と、難聴の人に聴こえているであろう音の表現が素晴らしい。人間の耳は物凄い能力を持っていることに感謝してしまいました。このタイトルは、ヘビーメタルではなく、人工内耳を付けた時の音を表現しているらしいです。主人公が、手術で人工内耳を取り付けるのですが、耳が機能している訳ではなく、脳に取り付けたインプラントが脳を錯覚させて音を認識させる方法なので、嫌な音もいっぱい聞こえる、その音がサウンドオブメタル、ということらしい。難聴者の施設の管理者の方が素晴らしかった。
作品の詳細
作品名:サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜 |
原作名:Sound of Metal |
監督:ダリウス・マーダー |
脚本:ダリウス・マーダー |
公開:アメリカ 2020年11月20日、 |
上映時間:120分 |
制作国:アメリカ |
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