情熱的に正義を問い、心揺さぶる感動の実話!
ジョージ・クルーニーの監督第2作は、大手テレビ局CBSの人気キャスターでありながら、自らの人生を危険に晒してまでも不当な権力と闘い、「テレビ・ジャーナリズムの父」と今も讃えられるエド・マローの実話に基づく物語。当時、全米を勇気と感動で満たしたマロー達の壮絶な闘いは、ニュースキャスターだった父をもつクルーニーにとって特別な意味をもっており、アメリカや世界がテロによって保守化する今、敢えて挑んだ渾身の一作である。
FKが、モンローが、アインシュタインが、愛してやまなかった男、エド・マローとは?エド・マロー(本名:エドワード・R・マロー)は、1930年代後半から50年代にかけて全米でもっとも高い人気を誇り、”アメリカの歴史を変えたひとり”とも称された伝説のニュースキャスターである。死後すでに40年が経過しているにもかかわらず、その名声は今なおアメリカ放送史の中で燦然と輝きつづけ、彼を信奉するジャーナリストは後を絶たない。
ストーリー:1954年、アメリカ。百万人の視聴者が、ひとりのニュースキャスターに未来を託した─これは、全米を勇気で満たした感動の実話である。1950年代アメリカ。マッカーシー上院議員による”赤狩り”が数千人に及ぶ国民から職を奪い、恐怖が全米を覆っていた。報復を恐れるマスコミが批判を控える中、議員の真の姿を報じ、アメリカに自由を取り戻したのは、一人のニュースキャスターと、彼と共に闘った記者たちだった。
出演:ジョージ・クルーニー、デヴィッド・ストラザーン、ロバート・ダウニー・Jr、パトリシア・クラークソン、フランク・ランジェラ、ジェフ・ダニエルズ、レイ・ワイズ、アレックス・ボースタイン
★★★★★ クルーニー、最高だぜ。
もう今では誰も関心もないだろうが、50年代前半のアメリカ政局に一世風靡して猛威を振るったのがマッカーシー上院議員だった。この全篇モノクロのドキュメンタリー風映画は、全米のメディアが沈黙する中、彼が主導する「なんでもかんでも反共キャンペーン」に異議を唱え、表現の自由を求めて敢然と立ち上がったCBSの報道番組「See it Now」のキャスター、エドワード・R・マローの不屈のジャーナリスト魂を生き生きと伝えて鮮烈な感動を呼ぶ。なんといっても主役を演じるデヴィッド・ストラザーンが圧倒的にカッコいいが、じつは脇役に徹していたジョージ・クルーニーが、この反時代的インディーズ映画の監督脚本を担当していたとは知らなかった。さいきん本邦でもじぶんの主体性の放棄を棚に上げてメディアの問題点をあげつらう人が多いが、「マッカーシーにあらずんば人にあらず」というくらいの反動旋風が荒れ狂った時代にあって、あくまでも事実に基づいて冷静に報道を続けたこうした先達の業績に謙虚に学んでほしいものである。「See it Now」のエンディングで、マローが「Everybody, good night and good luck」と毎回締めたことにちなんだ題名もお洒落だ。クルーニー、最高だぜ。
★★★★★ 「さぁ、あなたはどうする?」と問いかけてくる大人の映画。
最期の言葉が”Good night & Good luck.”だった「報道のCBS」の看板ニュース番組。ニュース番組のスタッフたちが、1950年代のマッカーシズムでの、1) 空軍による根拠ない(証拠を公にしない)解雇や2) マッカーシー議員の言いがかりに対して、調査報道で立ち向かって、相手の反論含めて放映した結果、空軍解雇は撤回され、マッカーシー議員は上院召喚を受けることになりました。聴視者の反応も15対1で、ニュース番組にエールを送りました。ただし、スポンサーの(軍にも納入している)アルミ会社は降板し、番組は会長命令で実質的に解散、ジョージ・クルーニー扮するスタッフも解雇に。「TVは、聴視者次第で、知の手段ともなれば、娯楽と逃避のただの機械にもなる」と最後に言う番組アンカーのEdward R.Murrow氏。自由とは、その時代を生きている人々が守る/獲得するもの。全編モノクロで控えめですが、「さぁ、あなたはどうする?」と問いかけてくる良心作だと思います。主人公たちがひっきりなしにタバコを吸うことは、スタジオジブリ「風立ちぬ」と同様に、時代感を出しています。大人の映画です。
★★★★★ アメリカ合衆国の良心を
内容ももちろんすばらしいのですが、50年代の空気が懐かしいです。今ではニュースキャスターが放送中にタバコを吸うなんて絶対に有り得ないでしょう。社内結婚禁止だったのに結婚している二人、それを見て見ぬふりをするチームのメンバー達。そして素敵なジャズがずっと流れます。赤狩りと言うのは現代の魔女狩りだったのだと聞いた事があります。恐いですねえ。その魔女狩りに立ち向かうマーローチームの活躍とそれに対するテレビ局側の対処はこの作品のコントラストになっています。もちろん俳優達もすばらしいです。なにはともあれいろんな人に見て欲しい、渋くてちょっと辛い映画です。
★★★★☆ コンパクトに纏められた佳作
アカデミー賞にもノミネートされ、高い評価を得たジョージ・クルーニーの監督第2作。1950年代のアメリカにおける「赤狩り」に闘いを挑んだニュースキャスター、エドワード・マローを始めとするテレビマンの雄姿を描いた社会派ドラマ。クルーニーは出演もしている。ジョージ・クルーニーは父親がニュースキャスターで報道に関わっていたということもあり、この企画は念願のものだったらしい。アメリカにおける悪の時代に、そうした欺瞞に闘いを挑んだ男たちを描くとなると、やはり、描きたいポイントは多かったはずだ。この映画は、エドワード・マローの話なので、マローを軸とした人間ドラマに仕上げたいという思いは大きかったと思う。しかし、マローがキャスターを務める番組は決して1人で作り上げたわけではなく、多くのスタッフがいて、それぞれにドラマがあり、群像劇としての側面も併せ持っている。もちろん、そうした時勢に逆らう報道の姿勢に、テレビ局側も黙ってはいられない。テレビ局側における不穏な動き、圧力は少なからず存在した。さらに、赤狩りの急先鋒だったマッカーシー側の思惑だって、論じたいポイントだろうと思う。ジャーナリストとはという論題に関しても考証を加えたい、との思いもあったはずだ。こうした派生させようと思えば、させることができたところ、クルーニーは余計な面に手を伸ばして大作映画にするよりも、小さくても芯の通った作品にしたいと思ったのだろう。その他の要素も描くが、あくまでサイドストーリーとしての役割を担わせて、ポイントのみを軽く触れる程度で完全に視点が移るほど深追いはしていない。その点は、いろいろ手を出して作品を中途半端にするよりは英断だったといえるだろう。また、マロー役を自ら演じるのではなく、デヴィッド・ストラザーンというピッタリの役者を見つけてきたのも良かった。
★★★☆☆ 歴史映画であると同時に今の時代に問題提起
マッカーシーとか共産主義だとかよくわからない歴史上の人物や用語が出てきて映画の内容はあまり理解できませんでした。観る前にこの映画の時代背景やストーリーなどを知ってから観ないと理解できないと思います。しかしこれだけは伝わってきました。「報道を退廃させてはならない」ということ。今の時代は視聴率を取れればそれでいいという時代。ゴールデンタイムにはせめぎ合うように娯楽番組が流れます。しかし昔は違った。テレビという媒体を通して討論し議論する。よい国を作るために番組を作る。そういう人々の熱意が描かれています。歴史映画であると同時に、今の時代に対して問題提起をしている映画ではないでしょうか。
作品の詳細
作品名:グッドナイト&グッドラック |
原作名:Good Night, and Good Luck |
監督:ジョージ・クルーニー |
脚本:ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ |
公開:アメリカ 2005年10月7日、日本 2006年5月13日 |
上映時間:93分 |
制作国:アメリカ |
製作費:700万ドル |
興行収入:5400万ドル |
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