ドラマ

クィーン

あの事故から10年。これまで決して語られることのなかった事故直後のロイヤル・ファミリーの混乱、首相になったばかりの若きブレアの行動、そして女王の苦悩と人間性を描いた大ヒット作

ストーリー:1997年8月31日。チャールズ皇太子との離婚後、充実した人生の真っ只中にいたダイアナ元皇太子妃が、パパラッチとの激しいカーチェイスの末、自動車事故によって急逝した―。事故直後、英国国民の関心は一斉にエリザベス女王(ヘレン・ミレン)に向けられ、たびたび取り沙汰されていたエリザベス女王とダイアナの不仲説への好奇心の対象となった。民間人となった彼女の死に対して、エリザベス女王はコメントをする必要はないはずだったが、絶大な人気を誇るダイアナの死を無視することは、結果的に国民を無視することとなる。民衆の不信感は急激に増大し、エリザベス女王はたちまち窮地に追い込まれてしまう・・・。

出演:ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、ジェームズ・クロムウェル、ヘレン・マックロリー、アレックス・ジェニングス、シルヴィア・シムズ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 女王と英国民

何度観ても興味深い映画である。たしかに、ダイアナに英王室が手を焼いていたのは事実だろう。もとはといえば、チャールズがさえないカミラと不倫しているほうが悪い。人の道にはずれているのは、そっちだから、この先、英国民がチャールズを「王」として受け入れるのかは、さらに興味深い。だからこの映画で、英国民がダイアナに同情し、共感したとしてなんら不思議はない。英国民は変わったと女王は言う。悲しみは深く心にしまって、外に表さないものだった、と。そのとき国民は、悲しみを、驚きをどう表現してよいか、困ってしまったのだろう。それが王室への憎しみに転じたのだろう。チャールズはけしからんが、子供たちはかわいそう。この矛盾した想い。残念ながら、メディアが国民をあおり、国民がそれに踊る。英国に限らず、世界中でこうした流れがいきわたっているように見える。これを「アメリカ化」といっては、いけないだろうか。英国は戦争に勝ったけれど、手ひどくアメリカに負けたのだ。ブレア首相役の俳優さんが、女王の考えに共鳴し、立場に同情するようになる様は、上手に描かれている。首相は完全にホレてしまっているのに、女王は鼻にもかけない。最後の会見の場面は、そうした気分を表現できていて好もしい。

★★★★☆ 素晴らしい!!

この映画はダイアナ妃のことが中心なのかと思っていたら、そうではなくイギリスの現君主女王陛下エリザベス二世が主人公である映画です。英国の歴史と権威を背負いその気品に感動させられます。そして女優のヘレン・ミレンさんの演技が群を抜いて素晴らしいと思います。

★★★★☆ 英国女王から遠い日本人にとっては新鮮な視点

離婚してすでにロイヤル・ファミリーではないダイアナ元皇太子妃の交通事故死で、従来のしきたりと人間的な感情との間で揺れ動く英国エリザベス女王を描いている。マスメディアで流されるダイアナとの確執(英国皇室が事故死を演出したという俗説があるぐらい)というバイアスがかかっていた私には新鮮さを覚える作品だった。日本という英国から遠い国に住むがゆえに、クイーンに対しての新しい見方に新鮮さを個人的には覚えた。人間的で、いい物語であった。エリザベス女王について、一人でジープを運転して森や川を横切る場面、狩りで撃ち取られた鹿を前にたたずむ場面、物事が一段落して喜んでいるブレア首相に対して威厳をもって対峙する最後の場面。しきたりを重んじるがゆえに人間的な感情を押し殺す理性から生まれた威厳と、逆に生き生きとした感情と行動的な性格。この映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンが好演している。また英国王室となじみが薄いがゆえに、伝統的な芸術品で飾られた宮廷に対して、TVがあるリビングで生活する意外と普通な生活が対照的で興味深かった。日本の皇室を題材にしたこのような映画を期待したいとも思った。

作品の詳細

作品名:クィーン
原作名:The Queen
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:ピーター・モーガン
公開:イギリス 2006年9月15日、日本 2007年4月14日
上映時間:104分
制作国:イギリス、フランス、イタリア
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