これまで幾度となく映画化されてきたロシアの文豪トルストイの名作をバーナード・ローズ監督がイギリスとアメリカの合作で挑戦
ストーリー:1880年、モスクワ。レヴィン(アルフレッド・モリーナ)は令嬢キティ(ミ ア・カーシュナー)に求婚。キティは若き軍人、ヴロンスキー伯爵(ショーン・ビーン)に夢中だったが、彼はロシア高官カレーニン夫人のアンナ・カレーニナ(ソフイー・マルソー)に一目惚れ。一度はヴロンスキーの愛を拒否したアンナだったが、やがて自らも情熱的な恋のとりこになった。ふたりの仲は社交界の噂となり、カレーニン(ジェームズ・フォックス)の知るところに。一方、再会したキティとレヴィンは結婚。アンナは夫を捨てヴロンスキーの元に走るが、8歳の息子セリョージャのことを忘れられない。カレーニンはアンナとの離婚を拒否。ヴロンスキーとの間にできた子供も流産してしまったアンナは、次第に追いつめられていくのだった・・・。
出演:ソフィー・マルソー、ショーン・ビーン、ミア・カーシュナー、ジェームズ・フォックス、アルフレッド・モリーナ、フィオナ・ショウ、ダニー・ヒューストン、ピョートル・シェロホーノフ、ジェニファー・ホール、サスキア・ウィッカム、ジャスティン・ワデル
★★★★★ 音楽が良いです
劇中で流れる曲がラフマニノフ、チャイコフスキーとロシアを代表する作曲家の作品。美男美女にふさわしく、思わず現実を忘れてしまう美しさです。
★★★★★ 美しい!哀しい!
ソフィ・マルソーはとにかく美しいです。清潔感と気品、透ける様な美しさが悲劇を際立たせています。情熱的な男の誘惑は確かに甘美なものでしょう。しかし、不倫の末、信じた男の無神経な言動や態度に、独り心を病んでゆく美しい女性の哀しすぎる結末。唯一の救いは、彼女を不倫という世界に引き込んだ男が、結局は最後まで彼女を愛していたと思える部分でしょうか。男女の微妙な心の行き違い、そこから疑念が生じ、ますます関係がこじれてしまう・・・。これは、現代に置き換えても十分起こりうることでしょう。単なる「不倫恋愛の悲劇」だけでなく、その背景には階級制度や宗教、思想などがふんだんに織り込まれた物語なので、原作を多少でもかじっていれば、見方も感動も更に大きくなると思います。
★★★★☆ また見たくなって、見ました
何年たっても、またみたくなる作品。汽車の前に飛び込む前の、ソフィーマルソーのかすかな笑顔が、忘れられない。フランス革命から百年近くたっても、旧制ロシアとは、こんな感じだったのか、と少し驚かされますが、日本の源氏物語にも重なるような、女性の心情は万国共通の感もあり。トルストイの原作は、さすがにスビード感に欠けるきらいもありますが、コンパクトにまとめた割に、この映画は真髄はついていると思います。
作品の詳細
作品名:アンナ・カレーニナ |
原作名:Anna Karenina |
監督:バーナード・ローズ |
脚本:バーナード・ローズ |
公開:アメリカ 1997年4月4日、日本 1998年4月11日 |
上映時間:108分 |
制作国:アメリカ |
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