毎日は輝いている
ガス・ヴァン・サント監督が描くピュアで奇妙で衝撃的なまでに美しいラブストーリーの傑作!
ストーリー:交通事故で両親を失い、臨死体験をした少年・イーノック(ヘンリー・ホッパー)。話し相手は、彼だけが見える死の世界から来た青年・ヒロシだけだった。他人の葬式をのぞいて歩くことを日常とする死にとらわれた少年は、そこで余命3か月と告げられた少女・アナベル(ミア・ワシコウスカ)と出会う。ヒロシがそっと見守る中、死が結びつけた2人。生きるということは、愛するということは、いったいどういうことなんだろう?秋から冬へと向かう鮮やかな街の景色が、わずかな時間しか残されていない2人をやさしく包み込み、恋人たちとヒロシの世界が輝きはじめる。
出演:ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮、シュイラー・フィスク、ジェーン・アダムス、ルシア・ストラス、チン・ハン
★★★★★ 終わらせ方が最高。
あまり病気や余命のテーマの映画は好きではないのですが、これは違いました。終始穏やかな気持ちで見ることができて、見た人を感動させようと涙を誘おうとする意図もあまりみられなく、自然と2人の世界に入り込むことができました。加瀬亮の役があることで、2人により近いところで物語を見届けられるような見かたができたのかもしれません。音楽もすごく良く、流し見したりもしています。何回見ても最後はにやけてしまいます。キュンとします。
★★★★★ とても美しい青春のドラマです
難病で余命少ない少女と臨死体験をして幽霊の見える少年の青春映画というと、なんか暗い悲劇的物語のように想像されますが、決してそのようなことはありません。どちらかといえば少年の成長物語のように感じました。映画に死者は見られますが、死そのものはでてきません。なんともいえない美しい映画でした。 パンフレットを買って読まないとわからない部分があるのですが、加瀬さんの演じる特攻隊の幽霊ですが、脚本家の連作の物語で、本映画はその最終話にあたるとのことでした。 最後の手紙の部分は感動的です。 死ぬことより、生きることの方が難しいというのが、テーマだと思うのですが、全編を通して美しい作品です。
★★★★★ 重いテーマだが爽やかな作品
重いテーマを扱いながらも、主演2人の瑞々しい演技と、ところどころでユーモアを交えた味のある脚本で、じっくりと鑑賞できる爽やかな作品だと思います。他人の葬式を覗くなど、積極的に死に近づいていく主人公が、余命わずかの少女と出会い恋に落ちることで、死に対する恐れを持ち、それを乗り越えていく姿を描いています。作品全体を通して死が描かれており、死との付き合い方、もしくは受け入れ方がメインテーマと言えるでしょうか。主演2人は、透明感のある俳優で本作の役柄にぴったり。また、主人公と、加瀬亮演じる特攻隊員の日本兵の幽霊の会話が軽妙で、作品の雰囲気を明るくしてくれています。この日本兵の幽霊役、作中ではなかなか重要な役どころで、鑑賞後の爽やかな後味にかなり貢献しています。個人的には、イーノックとアナベルが、道路に寝てチョークを引くシーンが、とても美しく印象的で心に残りました。
★★★★☆ 抑揚の効いたトーンが印象的
死の病に冒された少女との恋。以前から映画としてはよくある話ですが、ちょっと面白いのが相手の男の子。交通事故で両親を亡くし、自身も臨死体験をしたことにより見えるようになった日本人特攻隊青年の霊(?)だけが友達という変わった設定になっています。しかし、この訳の分からない設定が物語が進むにつれジワジワと来ます。今までの映画であれば、徐々に病状が悪化する少女が自身の運命を呪い、相手も悩み苦しむというのが物語中盤のメインになるのでしょうが、この映画での二人はもっと静かに死に向き合っています。死が迫ってくる相手に対して、普通は理解できずに苦しむのでしょうが、お互いが死を身近に感じる環境にいるため、少女にも死を理解してもらえる妙な安心感のような落ち着いた静かさが最後まで続いていきます。特に少女から病のことを聞かされた男の子の返事がとても普通というか淡々としていて逆に印象的でした。何かと派手なハリウッド映画に無い繊細さがとても良いです。
★★☆☆☆ 観念的
死を扱うにしてはあまりにも綺麗事というか、観念的過ぎて臨場感がありません。人の死を何度か体験したので、登場人物の感情の動きが人の生の感情から遠くて感情移入できませんでした。本物の特攻隊の手紙に説得力があるので、そこからインスパイアされたのか特攻隊の幽霊というアイディアは面白いし、日本に対するリスペクトも感じられました。音楽の使い方は相変わらず上手いし、映像も綺麗で独特の雰囲気はのこしているけれど、主人公達の死に対するリアクションが観念的過ぎて切迫感がなくさらっと終わってしまう感じです。ガンに冒されたヒロインもビジュアル的に肉体的なつらさが伝わってこないので、いかにも芝居を見てるんだなという気になってしまいました。肉体的に追い詰められていく状況を視覚的に描いてしまうと、主人公達のどこか醒めた感覚とズレがでてくると思いますが、それであればこの映画は死に際して感じる人間の感情とはあまりにも遠いところにある作品だと思います。この監督にしては批評家からの評価が低いのも納得の映画でした。
作品の詳細
作品名:永遠の僕たち |
原作名:Restless |
監督:ガス・ヴァン・サント |
脚本:ジェイソン・リュウ |
公開:アメリカ 2011年9月16日、日本 2011年12月23日 |
上映時間:90分 |
制作国:アメリカ |
製作費:800万ドル |
興行収入:16万ドル |
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