理想と現実の狭間で苦悩する若き検事、巨匠シドニー・ルメットが正義の意味を問う社会派サスペンス!
ストーリー:ニューヨークの中心、マンハッタン。司法試験に合格したショーン(アンディ・ガルシア)は新米検事補として多忙な日々を送っていた。ある日、ショーンの父親で叩き上げの刑事であるリアム(イアン・ホルム)は、麻薬密売人を逮捕しようとして発砲される。リアムは重傷を負い、同僚の警官3人が殉職した。だが逃走した密売人は急進派の弁護士ヴィゴダ(リチャード・ドレイファス)に伴われて自首して来た。検事局長は、ショーンをこの事件の担当検事に大抜擢するが、法廷でヴィゴダは事件の裏に警官たちの汚職があることを暴露する。その汚職にはショーンの父リアムも関わっているという疑惑が・・・。
出演:アンディ・ガルシア、イアン・ホルム、レナ・オリン、リチャード・ドレイファス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、ロン・リーブマン、コルム・フィオール、ポール・ギルフォイル
★★★★☆ 黒と白の中間は??
世の中を余りにも単純視する新米地方検事が、二元論(正か悪)で警察汚職事件へと立ち向かう本作。社会の在り方に黒か白かの二択で挑戦し、それ故に抱えなければならないジレンマ(二律背反性)を如何にして克服していくのか。本作の見所はそれに尽きる。誰もが考える最も身近な哲学―それが「正義(白)」と「悪(黒)」であろう。単純に考えると「白」の方が良いことに相違はないはずだ。しかし世の中の物事は、「白」や「黒」に属さないものの方が大多数を占めるはずである。その属性を敢えて色彩で表現するなら「グレー」が適当だ。ある側面から見ると「白」だが、もう一方から見ると「黒」。故に全体的に見ると「グレー」となる。社会にはそんな「グレー」ゾーンが満ち溢れている。作品全体を概観すると「佳作」という評価が妥当だろう。「傑作」だと断言出来ない理由は、アンディ・ガルシアをサポートするこれと言った助役がいないことだ。唯一それだけが悔いられる。それ以外は、ガルシア特有のあの何とも言えない緊張感を放つ名演技が随所に見られ、視聴者を無意識のうちにスクリーンに引き込ませることであろう。是非ともガルシアの演技に注視して欲しい。
★★★★☆ アンディガルシアらしい役どころ
次期検事局長の選挙を見据えた事件担当者の判断と、警官である父が被害者になった理由で、大抜擢で事件を担当する事になる検事補の主人公。彼は調べていくうちに警官の腐敗や昇進絡みのどろどろした人間関係などの存在を目の当たりにし、きれい事では済まされない現実に初めて気が付く。あくまでも正義をめざす理想と現実のギャップにうろたえるが、そのあたりちょっとうぶすぎるのではないか。しかしいかにもアンディガルシアらしい役どころではある。秀作。
★★★☆☆ LAWと人間的感情の間
アンディー・ガルシア演じる元警官の若手検事が、あるきっかけでNY州検事となり、人間として当然持つ感情と法を守る立場の検事としての立場の葛藤を描いた作品。厳しい書評が多いが、法律家予備軍の私としては、是非人にお勧めした秀逸作。どのような時に、何を優先すべきかという非常に抽象的かつ普遍的な命題を突きつけられた。自分の立場として感情移入できる人であれば、アンディ・ガルシア演じるショーン・ケイシ-の役にはまりこめるはず。
作品の詳細
作品名:NY検事局 |
原作名:Night Falls on Manhattan |
監督:シドニー・ルメット |
脚本:シドニー・ルメット |
公開:アメリカ 1997年5月16日、日本 1997年11月29日 |
上映時間:114分 |
制作国:アメリカ |
興行収入:980万ドル |
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