突如、世界から電気が消えた
近未来の終末を描いたSF小説原作。孤立無援な姉妹が繰り広げるサバイバル・スリラー!
ストーリー:ハイティーンのネル(エリオット・ペイジ)は、頼れる父と優しい姉エバ(エヴァン・レイチェル・ウッド)とともに森に囲まれた家で静かに暮らしていた。だがある日、原因不明の大停電によって生活は一変。ハイテク技術で管理された家はシステムダウン。ライフラインも完全に断たれ、ラジオもインターネットも繋がらない。人々は水や食料を求めて暴徒化し、治安は崩壊。自給自足でしのいでいた一家だったが、父親が事故死してしまう。森のなかに取り残された姉妹にとって、信じられるのは自分たちだけ。社会と完全に切り離された場所で恐怖に直面した姉妹は、究極のサバイバルに挑む・・・。
出演:エレン・ペイジ、エヴァン・レイチェル・ウッド、マックス・ミンゲラ、カラム・キース・レニー、ウェンディ・クルーソン、マイケル・エクランド、ジョーダナ・ラージー
★★★★★ 家族がいるから生きられる。
突然の大規模大停電、混乱する世界、孤立する家族、別れ…生き残る為に姉妹は山に入り、畑を作り…と父から学んだ知恵で生き抜いていく。喧嘩したり絆を深めたり、劣等感を感じていた妹が逞しくなって行く姿はとても麗しい。そして悲劇は非常に痛ましい。それでもふたりは生きていく…どうせならもっとサバイバルを強調しても良かったけれど、今作は閉じ籠り型サバイバル。お陰で内紛がメインの困難に成ってしまうのは残念。それも”生きる”を追い詰めるくらいの姉妹喧嘩となるものだから観ているこちらは気落ちする。しかし、そんな呆れを凌駕する不足の暴力に晒される。今作は自然災害や驚異の化け物に襲われたりはしない。敵は人の心。誘惑、怒り、出来心、欲、暴力…時にそれらは非常にストレスとなるほど口惜しく息苦しい。良くも悪くも憤るでしょう。しかし、姉妹はことごとく、絆に転じていく。私達の想像を越えるほどにまで。このあり得そうな危機はとても身近に感じます。私達もきっと姉妹のように安易に考える。理性がある今なら「もっとうまくやれる」と思うだろうけれど、いざと言う時には同じ愚かないさかいをしてしまう筈だ。ふたりは多く、辛そうな顔をしている…しかし時に見せる笑顔と穏やかさは、私達の心を救ってくれる。行動選択は、こんな事態の下では有り得ないと思うことも多い。いえ、多すぎる。でもそこは隠喩も含め、映画だからと許したい。何より姉妹の不器用なサバイバルを見届けてあげたい。必死で向き合い、必死で努力し、知識を活用して、繕いを捨てて生きるに執着して行くようになるから。低いレベルでも最後には、この子達は大丈夫、そんな気持ちにさせられる。それは、姉が居るから。妹が居るから。信じられる人がいることは幸せだ。生きられる。主演はエレン・ペイジ、エヴァン・レイチェル・ウッド。ふたりとも頑張りました。特にエレン。誰かがいるから最後の希望を失わない。多くの欠点を補って余る、素晴らしい物語でした。
★★★★☆ 売り方で損してる
作品と全然違う売り方をされる洋画がたまにありますが、これもそれでした。パッケージやストーリー解説から抱くイメージとは全く違う作品です。即物的な刺激の詰まった、テンションの高いSFかと思って観始めましたが、展開はむしろスロー。中盤過ぎくらいまでは、なんてつまらない作品なんだと思っていましたが、終盤が近付くにつれ、「わりと好きかも?」と思い始め、ラストは不思議なカタルシスがありました。
作品の詳細
作品名:スイッチ・オフ |
原作名:Into the Forest |
監督:パトリシア・ロゼマ |
脚本:パトリシア・ロゼマ |
原作:ジーン・ヘグランド『森へ 少女ネルの日記』 |
公開:カナダ 2016年6月3日、日本 2017年3月4日 |
上映時間:101分 |
制作国:カナダ |
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