偽りの果てに見つけた真実の愛
上流階級出身で特権的な生活に飽き、勢いで中流階級の医師と結婚した女が、異国の地で禁断の情事に溺れていく!
ストーリー:1923年のロンドン。上流階級の娘キティ(ナオミ・ワッツ)は、結婚しなければ恥となる年齢を目前に、中流階級出身の医学博士ウォルター(エドワード・ノートン)のプロポーズを受け入れ、彼の赴任地である上海へ同行する。しかし、研究に没頭するウォルターは真面目で寡黙な男。女性のもてなし方もろくに知らず、退屈を持て余したキティは、上海の地で、イギリス副領事と不倫関係になってしまう。妻の不貞に気づき復讐心に燃えるウォルターは、中国奥地の村での仕事を引き受け、キティも帯同させる。しかし、世にも美しい景色に囲まれたその辺境の地は、恐ろしい伝染病が蔓延している危険な地域だった・・・。
出演:エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、トビー・ジョーンズ、ダイアナ・リグ、アンソニー・ウォン、リーヴ・シュレイバー、ジュリエット・ハウランド、アラン・デイビット、マギー・スティード
★★★★★ 原作を読んでみたくなりました。
ストーリー、役者、音楽、映像ともによかった。何度も繰り返し見てしまいました。
★★★★★ モームの原作、感動的なラブストーリー
舞台は1920年代の中国。コレラが蔓延し国民軍の蜂起による政情不穏の状況下で、着任したばかりの英国の細菌学者ウォルター・フェーン(エドワード・ノートン)と美貌の妻キティ(ナオミ・ワッツ)の仲はギクシャクしている。不慣れな環境で、研究一筋の夫に妻のフラストレーションは高まるばかり。そこへ女たらしで外交官のチャーリー・タウンゼント(リーヴ・シュライバー)が彼女の心を見透かしたように入り込んでくる。キティはたちまちチャーリーの虜になる。夫はそれに気づき、コレラが蔓延する僻地に強制的に妻を同伴させる。病人の看護はウォルターの本分ではないが、あえて危険な場所に飛び込んだのもキティを罰するという意味合いがあったからだ。キティはそんな夫に嫌悪感すら抱くが、そこでの生活は次第に2人の関係に変化をもたらしていく。原作はサマーセット・モーム。2人の冷たい関係がドラマの進行とともに感動的なラブストーリーに変わっていくのが素晴らしい。ナオミ・ワッツは彼女にとっても最上の演技ではないだろうか。エドワード・ノートンとの共同プロデュースということからも、主演2人のこの作品に対する強い思いがひしひしと感じられる。それを証明するかのような息の合った演技が見事。緑が目に沁みる中国の田園風景も美しい。うっすらとかかる靄が詩的で神秘的な雰囲気を醸し出す。その情景を捉えたスチュアート・ドライバーグのカメラが秀逸。アレクサンドル・デスプラットの音楽も効果的。2人のテーマ曲となるエリック・サティの「グノシエンヌ」。ラストシーンで流れるフランスの童謡「À la claire fontaine」(清らかな泉のほとりで)の清冽で切ないメロディーが郷愁を誘い、静かな余韻を残して消えていく。見ごたえのある名作だ。
★★☆☆☆ ナオミ・ワッツとエドワード・ノートン
原作の意匠を損ねる駄作。梅丹府で夫婦がなかよくなってはいけない。ウォルターは死ぬまでキティに冷淡でなければ意味がない。上海にかえってからキティとチャーリーがまじわらなくてはならない。独立した作品ならいいけど、高レベルの小説を下敷きにするのなら、より繊細な配慮が必要と思う。ナオミ・ワッツとエドワード・ノートンが良いだけの映画だった。
作品の詳細
作品名:ペインテッド・ヴェール ~ある貴婦人の過ち~ |
原作名:The Painted Veil |
監督:ジョン・カラン |
脚本:ロン・ナイスワーナー |
公開:アメリカ 2006年12月20日 |
上映時間:125分 |
制作国:アメリカ、カナダ、ベルギー |
製作費:1900万ドル |
興行収入:2600万ドル |
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