カデミー賞女優たちと豪華スタッフのアンサンブルで贈る、《愛》と《救い》の感動作!
ストーリー:人生の最期を迎える母が語った物語は、娘たちが知らない40年前の愛の記憶だった。人生の最期を迎える老婦人アン(ヴァネッサ・レッドグレイヴを、枕元で見守る二人の娘。混濁した意識の中でアンは、娘たちの知らない男性の名前を何度も口にする。意識と無意識の狭間を漂うアンの記憶は、1950年代のある週末の出来事へと遡っていく。歌手になる夢を持った24歳のアン(クレア・デインズ)は親友ライラ(メイミー・ガマー)の結婚式でブライドメイドをつとめるために、ロードアイランドの海辺の町を訪れ、そこで運命の恋に落ちる。だが、その恋には悲劇的な結末が待っていた・・・。
出演:クレア・デインズ、メイミー・ガマー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、メリル・ストリープ、ヒュー・ダンシー、グレン・クローズ、バリー・ボストウィック、ナターシャ・リチャードソン、トニ・コレット、パトリック・ウィルソン、アイリーン・アトキンス
★★★★★ 人生で一番輝ける瞬間の思い出
死を直前にした老人の目を通して一人の女性の人生を綴った物語。あろう事か私は映画、中頃からずっと涙が止まりませんでした。死に逝く老女があわれだとかそんなんじゃ全然ないです。若き日の彼女のエピソードの中にかいま見た彼女の人生で一番輝ける瞬間の描き方がすばらしくそれが美しく輝いているほどその後の彼女の人生の重さみたいなものがグググッと迫ってきて泣かずにはいられなかったのです。歌手を目指し、夢と希望にあふれたアンが友人の結婚式で歌う場面。若く、美しく、希望に満ちて人生で一番輝いている瞬間・・・。(この場面の映像、彼女の撮り方がまたすばらしく、死にいく老女と比較するとまた泣けてきます。)そんな彼女に引きつけられるようにやってきた若者と恋に落ちます。意気揚々と輝ける人生の幕開けだと思えたその翌日、ある不幸な出来事によりその恋は終わりを告げます。そしてその時の出来事による後ろめたさのせいかその後の人生はパッとしないものに・・・。結ばれなかった愛、成功しなかった夢をかかえ、それでも人生は続く・・・。子供を抱えながら飲み屋などでの歌手の仕事を続ける彼女。手を焼きながらも子供に歌を歌って聞かせる母としての必死でやさしい姿などが以前の美しかった若き日の彼女と対照的で泣けます。誰の人生にも少なからずあるだろう一番輝いていた瞬間(若い者には想像もつかないでしょうが死の床につく老人にさえもそのような時があったのだと映画は教えてくれます。)そしてその後の人生との折り合いのつけ方、誰にもかならずやってくる死などこの映画は静かに多くの事を語ってくれます。
★★★★☆ それぞれが抱える迷い
病床に伏せているアンが、眠りにつくたび過去に一番愛した人を夢に見る。そこから始まるアンの人生の物語。若きアンの親友の結婚式シーンが何とも印象的。心から愛しているのは別の人だけれど、一緒になれないと知って別の男性との結婚に踏み切る。その事実を唯一知っていたアンも辛かっただろう。様々な人の迷いを織り交ぜながら、物語は展開してゆく。「人生に過ちなんてないのよ」のセリフが心に残る。女優陣の演技力に弾きつけられる作品です。
★★★☆☆ 大人の女性にお薦めします
人はこの世を去る時に何を思うのだろうか、というテーマを、静かに語りかける作品です。自分が歩んできた人生と、選ばなかった人生。アンは病床で、ずっと後悔に暮れていたけど、最後には「人生に過ちなんてない」と悟り、生き方を迷っている娘には「幸せになろうと努力して」と伝える。アン、古い友人、娘達、娘の恋人、最後にはみんなが満たされ、ラストシーンには、清々しい充実感が漂っていました。女同士の友情、忘れられない恋愛、親子の絆・・・こんなにいろいろな題材を盛り込みながら、散漫になることも過不足もなく、丁寧に描ききっている。幻想的な演出があったり、上流家庭の海辺の別荘の美しさに目を奪われたり、雨の中での切ない別れに涙したり、子育ての現実の厳しさを知らされたり・・・心に残るシーンばかりです。劇中で歌われる数々の名曲も素敵でした。大人の女性に、ぜひお薦めしたいです。
作品の詳細
作品名:いつか眠りにつく前に |
原作名:Evening |
監督:ラホス・コルタイ |
脚本:スーザン・マイノット |
公開:アメリカ 2007年6月29日、日本 2008年2月23日 |
上映時間:117分 |
制作国:アメリカ |
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