あなたがそばにいたらいいのにって思う・・・
ストーリー:イギリスの中流家庭に生まれた賢く活発な女の子ヴェラ(アリシア・ヴィキャンデル)は、家族愛、友人愛に包まれ、周りには弟のエドワード、親友のヴィクター、そして、ローランド(キット・ハリントン)がいた。ローランドとの間に恋が芽生え始めたころ、ヴェラは、家族の反対を乗り越え、オックスフォードのサマーヴィル・カレッジに合格した。だが、第一次世界大戦が勃発すると、エドワード、ローランドらは戦地へと旅立った。ヴェラも彼らの後を追うように、大学を休学し、救急看護奉仕隊に志願した。ロンドン、フランスの前線で看護の任務に当たり、戦争の壮絶さを目の当たりにする。そして、休暇で戻ったローランドと婚約をし、次のクリスマス休暇に結婚をすることになったが・・・。
出演:アリシア・ヴィキャンデル、キット・ハリントン、タロン・エジャトン、コリン・モーガン、ドミニク・ウェスト、エミリー・ワトソン、ジョアンナ・スキャンラン、ヘイリー・アトウェル、アレクサンドラ・ローチ、ミランダ・リチャードソン
★★★★☆ 「つぐない」やアリシア・ヴィキャンデルが好きな方にお勧めの第一次世界大戦中を舞台とした反戦映画
Testament of Youthというイギリスの作家ヴェラ・ブリテンの自叙伝を同タイトルで映画化した作品です。当時としては異例の、女性の身でオックスフォード大学に進学した主人公は、婚約者や兄弟が戦場に行ったのをきっかけに従軍看護師に志願し・・・というストーリーです。上流階級の女性が看護師に志願する点では、第二次大戦が舞台の「つぐない」と類似性を感じました。「つぐない」のような複雑なストーリーやどんでん返し的な要素はありませんが、それだけにリアリティを強く感じることのできる作品になっています。第一次大戦中がイギリスにもたらした傷跡は日本人には想像困難な面がありますが、反戦というテーマ自体は普遍的なものですので、ある程度共感はできると思います。「つぐない」の好きな人にはお勧めですし、アリシア・ヴィキャンデルがヒロインということもあって出ずっぱりで、その魅力は十分に引き出されていますので、ファンなら見るべき作品と思います。
★★★★☆ 恋愛だけではない重い話。心に残ります。
ラブレターというよりも、戦争という大変な時代を生きた強い女性の物語。恋愛は重要な要素になっていますが、単なる男女の恋愛よりもっと根源的な人間愛を語っていると思います。ドイツ兵を介護したことにたいする彼女の主張こそこの物語の本質で、戦争というものの愚かさ虚しさを情に流され過ぎずに上手く描いているので、素直に心に残ります。恋人の間際の言葉が自分にたいする愛の言葉でもなんでもない意味の無いものだということが、残酷だけども、このあとの彼女の人生を前向きに向かわせるエネルギーになっています。ベタベタのロマンスとは程遠いとても硬派で真摯なよい作品でした。
作品の詳細
作品名:戦場からのラブレター |
原作名:Testament of Youth |
監督:ジェームズ・ケント |
脚本:ジュリエット・トウィディ |
原作:ヴェラ・ブリテン『Testament of Youth』 |
公開:イギリス 2015年1月16日 |
上映時間:129分 |
制作国:イギリス |
製作費:1000万ドル |
興行収入:530万ドル |
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