これが、現在(いま)の戦争だ
米軍の無人戦闘機、ドローンの恐るべき実態と9.11以降の対テロ戦争の知られざる真実を暴く問題作!
ストーリー:アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、F-16戦闘機のパイロットから無人戦闘機の操縦士に転身し、政府のテロリスト掃討作戦に貢献してきた優秀な軍人である。しかしトミーはやるせない違和感に囚われていた。ラスベガス郊外のマイホームと砂漠の空軍基地を車で毎日往復し、エアコンが快適に効いたコンテナ内のオペレーションルームにこもって、圧倒的な破壊力を誇るミサイルをクリックひとつで発射する。音声の出ないモニターだけで戦場の状況を確認するその任務は、まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。CIAの対テロ特殊作戦に参加したトミーは、度重なる過酷なミッションにじわじわと精神を蝕まれ、愛妻モリー(ジャニュアリー・ジョーンズ)との関係までも冷えきっていく。やがてストレスが限界を超えたトミーは、冷徹な指揮官からの人命を軽んじた爆撃指令への反抗を決意するのだった・・・。
出演:イーサン・ホーク、ジャニュアリー・ジョーンズ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジェイク・アベル、ブルース・グリーンウッド、ディラン・ケニン
★★★★★ 戦争の難しさ
戦争でもローコスト、ローリスクを追及する結果として、ドローンの導入が止まることは無いでしょう。しかし、リスクは減らない。PTSDにかかり、家庭が壊れ、軍としても優秀な軍人を保つことが出来ない。しかも正義のために、と言いながら、一般市民を巻き込んでしまう。結局どう転んでも、リスクはある。戦争の難しさを改めて感じることが出来る、秀作です。
★★★★★ 時とともに変わってゆく戦争の形態
武力で敵を殺し合う究極の形を表しているよう。主人公の個人的パイロットとしてのノスタルジーは理解できるけど戦略的にはこんなリスクの少ない効果的戦術はすごいなとおもう。 核爆弾ではなくてピンポイントでトップを殺し合ったら大衆の被害は最小限になるかな。あまりにリアルで考えさせられました。
★★★★☆ ドローン操縦士のストレス
1万2000キロ離れた”地球の裏側”から無人攻撃機で先制攻撃する空軍パイロットのストレスと苦悩が良く伝わってくる作品でした。高高度から高性能カメラで監視しながら機体を遠隔操作し、リスクゼロで敵を攻撃できる。これは自軍にとってはとても良いことに見えるのですが、ミサイルの発射ボタンを押している本人たちにとっては実際に戦闘機に乗って現地で攻撃を行うよりも心理的な負担が大きい。肉体的な危険が無くても、戦地に赴かないから家族と毎日会えたとしても、精神が崩壊していき周りの人たちにも悪影響を与える。そんな「ドローン戦争時代」の実態をよく表している。飛行経験がなくてもゲームセンターでスカウトされた若者たちが戦場を支配する時代に、我々はすでに足を踏み入れていることに気持ち悪さを感じました。
★★★☆☆ これが今の戦争なんだ
元戦闘機のパイロットがドローンの操縦に変わったことで精神が病んでいき、家庭も崩壊してしまうというストーリーですが、実際に戦闘機に乗って爆撃するのと、遠く離れたところからドローンを操縦して爆撃するのと何が違うのか、それによって精神の均等が取れなくなるというのがいまいち理解できませんでした。実際に戦地に赴き戦闘に参加し、生きるか死ぬかの過酷な状況で、残虐な場面も目撃したりして心的外傷後ストレス障害(PTSD)になってしまう軍人がたくさんいることは知っていますが、それと同じだとは思えません。こんなにお手軽にゲームのように爆撃できてしまうなら、自分が死ぬ危険もないし、仲間が死ぬこともないし、どんな手段だろうと人を殺していることに変わりはないし、こういう形が増えていくのは当然だと思いました。『ローン・サバイバー』を見たら、ドローンのありがたさがわかります。この映画でドローンによる爆撃の実態を初めて知りました。
作品の詳細
作品名:ドローン・オブ・ウォー |
原作名:Good Kill |
監督:アンドリュー・ニコル |
脚本:アンドリュー・ニコル |
公開:アメリカ 2015年5月15日、日本 2015年10月1日 |
上映時間:102分 |
制作国:アメリカ |
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