全米が笑って泣いた!映画&文学&ロックと”不完全家族(負け家族)”に愛をこめて
ゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞ノミネートほか、全米の映画脚本賞を総ナメした、笑って泣ける“不完全家族(負け家族)”の悲喜劇
ストーリー:1986年ブルックリン。バークマン家のバーナード(ジェフ・ダニエルズ)と妻ジョアン(ローラ・リニー)は離婚することになった。16才の息子ウォルト(ジェシー・アイゼンバーグ)と12才の弟フランク(オーウェン・クライン)は、曜日によって父の家、母の家と別れて暮らすことになった。普通じゃない生活にとまどいながらも、受け入れなければならないと、息子ふたりは努力する。しかし、心はずっと諦めともとまどいともつかない複雑な感情で、揺れ動いていた。
出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェシー・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン、アンナ・パキン、ケン・レオン
★★★★★ 四人四様、どこへ行く
別居した夫婦と2人の息子、四者四様の物語。どの人物もキャラが立っていて楽しめる。誰ひとりとして普通でないのだが、どの人物も人間の弱さやおかしみを内包して味わい深い。母と弟、父と兄は、それぞれ気が合い、逆に母と兄、父と弟は、とことんかみ合わない。そのかみ合わないエピソードがリアルでいい。いったいこの4人はどこへ行こうとしているのか、予想がつかないだけに観る者を飽きさせない。ラスト、兄が、母と昔に訪れて怖かった博物館のイカとクジラの模型をながめるシーンが効いている。
★★★★★ 「その」イカと「その」クジラ
パロディ映画と違います。アカデミー脚本賞にノミネートされた、鋭く細かい人物描写(ため息出るくらい)が、僕のココロにもビンビン来ます。舞台はアメリカです。夫婦ともに作家なんですが、妻は最近脚光を浴び始めた作家。旦那は『昔成功していたコトさえ忘れたれた』作家。プライドだけは高く、そんな自分の妻を認めるコトが出来ない『小さい男』。そして、そんな父に心酔する長男と、母親をかばう次男の四人家族を、徹底的にリアルに描いてます。前半、とにかくイタイ。小心者、虚勢を張るコト、妻を、他の文学、作家を徹底的に批判して自分を偉くみせるコトしか出来ない父親と、その外面性、『中身の無さ』を受け継いでしまった長男。また、そう言うトコロを見ていて、うまく受け流せない妻。夫婦の亀裂は深まり、ついに離婚。母親をかばう次男も、これを契機に学校でも自宅でも奇行を繰り返し始める・・・・と、『八方塞がりな家族』『人間のダメな部分』が徹底的に描かれます。ストーリーは、この長男の行動で希望を感じさせるフィニッシュを迎えますが、こんなん僕大好きです。観せ過ぎない。(ものすごぉアッサリです)これも、日本のドラマでは観れない終わり方やと思います。その時に『イカとクジラ』の意味も解ってきます。原題ではは『the SQUID and the WHALE』。『そのイカとそのクジラ』・・・・『その』ってどの?・・・・皆さんの『イカとクジラ』は何ですか?オススメです。
★★★★☆ 人は拠り所無しには生きられない
大多数の人々(俗物)を否定的な視点で見れるようになってきたら、要注意。自由の喜びと共に孤独の寂しさを味わうことになるだろう。ポップなタイトルには似合わず、なかなか味わい深い作品。
★★★★☆ どうしようもない人達だけど
崩壊家族のメンバーそれぞれの負の部分のみに敢えてスポットを当ててるからどうしようもない人達に思えるけど、まあ、誰にでもどうしようもない部分はあるよね、ってなぜか納得してしまった。なぜそんな行動を取るのか、なんて原因探しするのは野暮な気がする。この家族の続編が見たい!
作品の詳細
作品名:イカとクジラ |
原作名:The Squid and the Whale |
監督:ノア・バームバック |
脚本:ノア・バームバック |
公開:アメリカ 2005年10月5日、日本 2006年12月2日 |
上映時間:81分 |
制作国:アメリカ |
製作費:150万ドル |
興行収入:1100万ドル |
Amazonで探す |
Amazonプライムで視聴する(字幕版) |
Amazonプライム30日間無料体験を試す |
楽天市場で探す |