19世紀に実在した黒人男性の自伝を基に、奴隷となった男の壮絶な日々を綴る
ストーリー:1841年のアメリカ。ニューヨークで自由黒人として生活していた音楽家ソロモン(キウェテル・イジョフォー)は、突如誘拐され、奴隷としてニューオーリンズに売り飛ばされてしまう。彼は白人たちから非道な差別と虐待を受けるが、家族との再会を信じて耐えることを強く決意する。奴隷となって12年の歳月が流れたある日、ソロモンは奴隷制度撤廃を唱えるカナダ人労働者バスと出会う。これを機に彼の運命は大きく変わってゆくのだが・・・。
出演:キウェテル・イジョフォー、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、サラ・ポールソン、ブラッド・ピット、ポール・ジアマッティ、ポール・ダノ、ルピタ・ニョンゴ、アルフレ・ウッダード、ルース・ネッガ、ブラッド・ピット
★★★★★ 酷すぎる米国の歴史
あまりにも惨すぎる米国の歴史。どれほど黒人奴隷が苦しんでいたか、そしてどれほど搾取していくだから今こそ忘れないためにこの映画で事実の1部でも知るべきです。そして今でも現実にこれと似たようなことが第三世界で起きていることも他の映画で知られることだと思います。
★★★★★ アメリカの「正義」が、できる前の物語。
アメリカと言う国が、差別を平然としていたことがその歴史の中に深く刻み込まれている。ヴァイオリンが弾け、学もあり、文字も書けるソロモンは、自由黒人の資格があったが、酒を飲まされ、奴隷として売られてしまった。それから、奴隷として、売り飛ばされる。奴隷の立ち位置。犬よりも扱いがヒドイ。ニンゲンとしてみていない。その残酷さ。白人としてのプライドと見栄。おぞましき 歴史。それを くぐり抜けた人たち。「正義」「フェアー」という言葉が、この歴史があってはじめて、重い言葉になるのだ。黒人であるスティーヴ・マックイーン監督の想いが強く色でた映画。
★★★★☆ 時代を超える「人種問題」。
19世紀半ばのアメリカ社会の現実を垣間見ることができる貴重な作品で、当時の奴隷制のおぞましさをこれでもかと伝えてくる。本作の特徴として、主人公が自由黒人という恵まれた身分であることが挙げられる。だからこそ脱出の希望を抱き続けられたが、奴隷としては例外的な人物である。大多数の、生涯奴隷であることが運命付けられている人々が抱える絶望は主人公の比ではなかったのではと推察され、その点をより掘り下げてほしかった。奴隷が「人間」ではなく、徹底的に「商品」として扱われる様子は異様で、目を背けたくなる不快感を伴う。だが現代においても、日本では「外国人」を「労働力」と捉えたり、欧米では「移民」を「危険人物」と見なしたりすることが横行している。時代的・地理的背景に縛られない普遍性があり、多くの人に見てもらいたい作品だ。
作品の詳細
作品名:それでも夜は明ける |
原作名:12 Years a Slave |
監督:スティーヴ・マックイーン |
脚本:ジョン・リドリー |
製作:ブラッド・ピット |
公開:アメリカ 2013年11月8日、日本 2014年3月7日 |
上映時間:134分 |
制作国:アメリカ |
製作費:2000万ドル |
興行収入:1億8700万ドル |
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