人間が心の底に持つ狂気の“闇”を描いた問題作
呪われた異端のノワール作家として名高いジム・トンプソンのクライムノベルを、名匠マイケル・ウィンターボトムによって完全映画化
ストーリー:田舎町の保安官助手ルー・フォード(ケイシー・アフレック)は、物腰が柔らかくて愛想がいいと評判の青年だ。長年連れ添っている町一番の美人教師エイミー(ケイト・ハドソン)との恋愛も順調である。しかしある日、取締りの一環で出会った娼婦ジョイス(ジェシカ・アルバ)との激しいセックスが引き金となり、20年間眠っていた悪魔のような衝動が目を覚ました。過去の復讐も絡まり、ルーが次々と引き起こす怪事件。思いもよらぬ切り札を用意した捜査チームに追い詰められるルーの歪曲した自己破壊が今始まる・・・。
出演:ケイシー・アフレック、ケイト・ハドソン、ビル・プルマン、ネッド・ビーティ、イライアス・コティーズ、トム・バウアー、サイモン・ベイカー、ブレント・ブリスコー、ジェイ・R・ファーガソン、リアム・エイケン、マシュー・マー
★★★★★ ジム・トンプソンイヤー最大の記念碑
ついに来ました、「おれのなかの殺し屋」あらため「キラー・インサイド・ミー」が待望のリメイクいやリカヴァリー(復権)っ!!生前ではあまりにも時代を先読みしすぎた世界観と作風、感性がアダとなり本人曰く「俺は死んでから大体10年位して有名になる」と言い切りひっそりと世を去った幻の作家ジム・トンプソン。それから20年(ここがミソ)、タランティーノやスティーブン・キングなど時代の旗手達がこぞって「なんだコイツ、すげぇ」と賞賛しまくり再評価開始、そうついに彼が、いや彼に時代が追いついた瞬間であります。その記念碑といっても過言ではないのが代表作「おれの〜」であります。実を言うとあのスタンリー・キューブリックがこの作品に惚れ込み映画化を試みるも挫折(その代わり「現金に体を張れ」の脚本に抜擢したという経緯があります)その後バート・ケネディ監督ステイシー・キーチ主演で映画化するも試写会であまりにも想像とかけ離れた仕上がりに失望して黙りこくってしまったと言うエピソードがあり、以降中々陽の目を見ずに作者同様埋もれていってしまいました。しかし心の暗部を生々しく描く作品が普及している今の時代(それはそれで問題ありなのかも?)のお陰で実にリアリティと情緒に溢れており見ていて吸い込まれそうになるほどの仕上がりです。もしもジム・トンプソンが存命だったら間違いなく「これだよ、これ」と言うでしょう。ちなみに「おれの中の殺し屋」の姉妹作である小説「荒涼の町」には少し設定を変えてルー・フォードが再登場します。もしも映画を見て興味が湧いたらそちらも是非お勧めします。
★★★★★ なんてことしてくれたんだ。
久々にサスペンスで怖いと思う素晴らしい作品に出会えました。主役のケイシー・アフレックの演技も秀逸なのはもちろんですが、巨匠ジム・トンプソンの原作としても最高ランク作品の映画だと思います。また流れる曲もとってもいい曲が多いので作品をさらに引き立てます。ラストシーンで音楽と共にレビュータイトルの字幕が出たときは今まで続いた緊張感が一気に解け解放されます。中だるみせずテンポよく楽しめる作品です。万人向けの映画ではありませんが、もしサスペンス映画で最近いい映画に出会えていない方は是非一度御覧ください。
★★★★★ なぜ評価が低いの?
ケイシ―・アフレックやジェシカ・アルバといった旬の役者が好演しているし、脚本もよくできているのに評価が低いのでびっくり。自分的には傑作の部類だと思う。精神にダークサイドを抱え持つサイコが次々と自分を本気で愛してくれる女たちを、常人には不可解と思える動機で殺害していく。田舎町ののんびりしたやり取りとリアルで唐突な殺害場面が交錯するところが怖い。ケイシ―・アフレックの紳士的でおとなしめな保安官助手が、そのまま非情で残酷なサイコに変わるところが怖い。ちょっとセックスシーンが多すぎる気もするが、最後のどんでん返しも自分には衝撃的だった。何度も見返す価値は十分にあったし、原作も読んでみたくなった。
★★★★★ 映画好きなら分かる秀作
どこが面白いのかわからないうちに、引き込まれる不気味な世界。抑制され、淡々と進む構成は下手なホラーより遥かに強烈である。ただし映画好きでないと、この作品の見どころは味わえない。わかる人にはわかる映画である。理由らしい理由もなく引き起こされる連続殺人を日常生活の一部のように描いた原作、それをみごとに映像化した監督、その監督の演出に答えた役者陣。時代考証もリアルで、恐怖の映像にかぶさるカントリーの明るい響きが映画を引き立てるこういうサイコパスはいつの時代にも現れるが、輝くアメリカの救い難い闇なのだろう。
★★★★☆ 原作を見てー!!!
映画の尺がほっとんどエロに割かれてしまったせいで、原作の素敵加減がちっとも生かされてません...たしかに暴力的で最低な主人公ですが、原作のルーフォードはもっと面白い人物なんですオチだって映画のものとは全然違います。ジム・トンプスン著「俺の中の殺し屋」という題で文庫化されているので、ぜひ一読してほしい...。退廃的で有情滑稽な世界観が実に素晴らしい作品ですから!!!逆に、小説を読んでこの映画を見ようとしている人、やめた方がいいです
原作のエロいところだけがお好きならいいかもしれませんが...。ルーフォードの独特な人間観はほとんど描写されていませんし、心情や人間関係もほとんどカットされています...。エロ枠メインの実写版になってしまっているので☆-1。
★★★★☆ 原作ファンほど楽しめるのではないでしょうか。
もともとジム・トンプソンの愛読者なので、正直言って映像にして面白いものか疑問でしたが…期待通りの薄気味悪さが全編に漂っていてなかなかの傑作でした。原作は人殺しの一人称で進むので、独特の気味悪さがたまらなかったのですが、映画も一風変わったサスペンスとして見ごたえがあります。映画は三人称ですから、ルーの感じている事柄がいい具合に突き放されて描写されていて、原作ファンほど楽しめるのではないでしょうか。コンウェイに「息子さんにそっくりですね」と声をかけるシーンや、浮浪者の悲鳴で爆笑というシーンもぜひ実現してほしかったですし、暴力シーンがきれいすぎます。もっとリアルに汚い情景を撮れたら五つ星でした。もうちょっと練ったら、一般の映画ファンも途中まで食いつかせつつ鑑賞後は吐き気、という作品にできたでしょうに、ストーリーを追うにとどまっているのも残念。まちがってもカップルでは観られません。まぁ軽々に扇情的な作品にしなかったのはかえってよいところでしょうか。この小説、ほかの映画化も期待したいところです。
★★★☆☆ ジェシカ・アルバが〜!!ジェシカ・アルバが〜!!
まずジェシカ・アルバについて。娼婦役で出演してるジェシカ・アルバは相変わらずエロ可愛いです。そんな彼女の濡れ場が見られます。魅力的です。しかし、映画の中とはいえジェシカ・アルバがボコボコにされる場面は見てられませんせんでした。映画の内容についてですが、う〜ん…駄作とまでは言いませんが、凡作に感じました。セックス場面や暴力場面ばかりが印象に残って、内容はちょっと薄味だったと言うか一味足りない気がしました。「好青年だった主人公ルーが何故あんな事件を起こしたのか?」「何が彼を変えたのか?」…この辺りがもう少し上手く表現されてれば、説得力あったと思います。(一応説明はされてるものの、しっくり来なかったんですよね〜)内容は星2だけど、しかしジェシカ・アルバやケイト・ハドソンの体当たりの演技が良かったから星3にします。
★☆☆☆☆ 吐き気がするほど最低な映画
こんな最低な映画初めてです。精神異常者の残虐な殺人の姿に、わざとミスマッチな明るい音楽流して、狂気の世界の表現が素晴らしい、と評価もらおうとしてるのがミエミエの映画。星はマイナスにしたかった。映画として恥じるべき作品。
★☆☆☆☆ 二度と見たくない映画
に仲間入りしました。どうにも救いようのない展開にはげんなり。実況が好きな人には高評価かも。やたらと「挿入」されるセックスシーンには気分が悪くなった。
★☆☆☆☆ 主人公の性癖に吐き気がする
サイモン・ベイカー目当てで観ました。映画自体の作りは悪くない。しかしながら、主人公(サイコパス野郎)の性癖や女性の殺害方法が見ていて、目を背けてしまいます。でも、実際世の中にこういう人間も存在するんですよね。。。人間の闇は恐ろしいもんです。みていて本当に腹立たしい!もう二度とみません。
作品の詳細
作品名:キラー・インサイド・ミー |
原作名:The Killer Inside Me |
監督:マイケル・ウィンターボトム |
脚本:ジョン・カラン |
公開:アメリカ 2010年6月18日、日本 2011年4月16日 |
上映時間:109分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1300万ドル |
興行収入:40万ドル |
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