ドラマ

レオポルド・ブルームへの手紙

君の言葉だけが、僕を救ってくれた

母親に愛されずに育った孤独な少年レオポルド。少年にはげましの手紙を送る元囚人スティーヴン。ふたつのストーリーがひとつになる時、『奇跡』が起こる。

ストーリー:ミシシッピーの刑務所から、ひとりの男が15年の刑期を終えて出てくる。彼の名はスティーヴン(ジョセフ・ファインズ)。無口でも、物静かな彼の心の支えは少年レオポルドに手紙を書くことだった。「僕の人生は僕が生まれる前に始まった。僕は母さんの罪の烙印」。自分の生い立ちについて綴るレオポルドは、学校の授業で囚人に手紙を書くという課題を出され、熱心に手紙を送り続ける。母メアリーに決して愛されることなく育ち、本を読むことだけが人生の楽しみだったレオポルド。そんな彼にとって手紙に自分の人生を綴ることが唯一の慰めだった。母メアリーは、かつて、大学教授の夫ベンと幼い娘3の人で、幸せな暮らしを送っていたが、ささいなことがきっかけで夫の愛が信じられなくなり、家に出入りしていたペンキ職人と関係を持ってしまう。そしてレオポルドが生まれた日、夫と娘は事故に巻き込まれ命を落としまったことから、メアリーは彼を愛することができず、日々辛くあたるのだった。そんな孤独な少年に愛のこもった返事を送り続けることで、スティーヴンも自らの新しい人生を踏み出していく・・・。

出演:ジョセフ・ファインズ、エリザベス・シュー、ジャスティン・チェンバース、デボラ・カーラ・アンガー、デイヴィス・スウェット、デニス・ホッパー、サム・シェパード、メアリー・スチュアート・マスターソン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 不条理劇

輪廻。不条理。胸に迫ってくるシーンあり。情感あふれる映画。好きな俳優サムシェパードがおもいがけなく出演。母親に心で殺された、その息子が主演。いきなり刑務所から出所。なんで投獄されたか、などは中盤からわかる。サム・シェパードは、最終的には予定調和だったが、鍵となる役柄。泣きたい映画を見たい人にはおすすめではありませんが、映画好きにはたまらなく面白いと思います。

★★★★★ 「レオポルド・ブルームへの手紙」再考

この映画を2週間ほど前に観たとき、あと少しで佳作にとどく作品だなぁと思った。彼の境遇には共感できたし、そこそこいい話だった。しかし、今日にになって唐突にふと思い返した。この作品は出来がどうこうとか、製作者のちょっとした謎解きがどうこうという作品ではないんじゃないかと思った。彼は葬られ、再び再生を果たそうとする。この再生の過程が個人的に注目なのだけれど。彼はよくある温かい人との出会いや触れ合い、人生を変えてくれるような状況に出会って、再生するのではなく、自らの力だけで進む。もちろん勤め先の店主や店員たちとの出会いは他の作品なら間違いなく彼のターニングポイントになったはずだ。実際その役目を果たせるだけのいい味を彼らは出していた。でも、それにしては彼らへのスポットの当て方が地味に感じた。レオポルドは他のこういった主人公たちと違い、あくまで自分だけで問題を解決する。(助けてもらったのはラストくらいのものだ。それにしたってその状況に追い込まれなければ自分ひとりで進んだだろう)彼は徹底的なまでに葬られる。でも自分の力だけで再生に向かっていく。ここまで追い詰められた人間にしては驚異的なまでに。この映画は彼の再生のしかたにこそ意味があるのではと思った。もう一度観てみようと思う。

★★★★☆ 人に勧めたくなるちょっといい映画・・・でした。

「僕の人生は生まれる前に始まった。僕は母さんの罪の烙印」という独白が印象的な佳作。プロットは、15年の刑期を終えて出所した男が、獄中の彼を手紙で支えてくれたレオポルド少年に会いに行くというもの。こういう風に書くとただの感動作のようだが、本当に良い作品。中核のストーリー良し、ダレることなく結末までいく展開良し、そして何より俳優が良い!E.シューは昔から大根だが、いつもながらこういう役はハマる。S.シェパードは相変わらず渋い。久しぶりに見たM.S.マスターソンは少し老けていた・・・。『ユリシーズ』を読んだことのない私は、この映画との共通点が全く分からなかったが、“インナーチャイルド”とか“未生怨”といった言葉を連想しながら観ていた。泣ける映画とは少し違うが、観て損はない。

★★★☆☆ ここまで愛せないのなら

作品の質としては、★5ですが、内容的に余りにも酷く受け入れ難い面があるため、この☆の数になりました。生まれたその日に父親と姉が事故死し、不貞の子供として、母親からも愛されずに育った少年。正直、ここまで愛せないのなら、母親は子供を手放すべきだった。まともな愛情のかけらも注げないのに手元に置いて、揚げ句、子供を殺人犯にするまでに追い詰めた母親が、フィクションとは言え許せません。出所後、様々な人と出会い、新たな人生を歩もうとする場面で終わるラストに救いがあるものの、どうにもやり切れなく辛かったです。

作品の詳細

作品名:レオポルド・ブルームへの手紙
原作名:Leo
監督:メヒディ・ノロウジアン
脚本:アミール・タジェディン、マッシー・タジェディン
公開:アメリカ 2003年4月17日、日本 2005年2月19日
上映時間:103分
制作国:アメリカ、イギリス
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