ドラマ

アバウト・レイ 16歳の決断

誕生日の願い事は毎年同じだ。“男になれますように”

16歳になり、身も心も男の子として生きたいと決断したトランスジェンダーの主人公をエル・ファニングが演じ、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンら豪華キャスト共演で家族との絆や葛藤を描いたヒューマンドラマ

ストーリー:16歳になり、身も心も男の子として生きたいと決断した主人公・レイ(エル・ファニング)。医者から受け取ったホルモン治療についての見慣れない資料に呆然とするシングルマザーのマギー(ナオミ・ワッツ)は、「突然、息子を育てることになるなんて・・」と、動揺を隠せない。共に暮らすレズビアンのおばあちゃんのドリー(スーザン・サランドン)もレイのカミングアウトをイマイチ理解ができないでいる。一方、髪を短く切り、身体を鍛え、少しずつ“本当の自分”に近づいていくことで生き生きしてくるレイ。そんな姿を見てマギーは意を決して、治療の同意書のサインをもらうために、何年も会っていない別れた夫に会いに行くのだが、そこでまさかの“家族の秘密”が明らかになる。

出演:エル・ファニング 、スーザン・サランドン、ナオミ・ワッツ、テイト・ドノヴァン、サム・トラメル、マリア・ディッツィア、テッサ・アルバートソン、リンダ・エモンド

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★☆ 自分らしくありたい子どもと家族の話。

ヒューマンドラマなんだけど、ところどころジョークが効いてて面白い。自分の兄もトランスジェンダーでレイのように決断をした。だから、自分らしくなりたいレイをサポートする母や祖母たちの複雑な感情に共感した。ただ自分の兄は成人していたのもあり自決できたのに対し、レイは家庭環境も相まって大変だったと思う。私はホルモン治療や切除による副作用を兄から聞いた上で、自分らしくあろうと覚悟を決めた兄を尊敬する。もっと気楽に治療ができるようになったら良いとは思わないが、性に寛容な世の中になったら良いとは思う。

★★★★☆ 家族の物語

レイは4歳の時から自分を男性と認識しており現在も男の子として生活している。同性の友人達がおり好きになるのは女の子だ。ブレることはない。転校する前にホルモン治療を開始して、誰も何も知らず偏見もない場所でごく普通の男の子として新たな生活を始めたいと思っているのだ。レイのホルモン治療に両親のサインが必要な為、母マギーが父クレイグを尋ねて行った事で彼らの過去の経緯が明らかになる。というか、マギーの所業が・・・。不都合な事から逃げて実母ドリーとその同性パートナーのフラニーが暮らすアパートに転がり込んで何年経つのか?レイの治療・転校をきっかけに自立を促されても追い出されるとしか思えない甘ったれようだ。レイの治療がきっかけだが、マギーの過去との対峙(というほど大仰なもんではないが)そこからもつれたままの人間関係が解かれていく。ドリーは自身がレズビアンだが、レイの内面が男性だということを最初は理解出来ない。それに対してレイの幼い異母兄弟はレイとの関係を問い、素直にお兄ちゃん扱いするところが微笑ましい。レイが望んでいるのはこんな風に自然に受け入れられることなのだ。一番ショックだったのはクレイグか(激しくサインを拒否)・・・。つい最近もLGBTについての記事を目にしたが、レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)の違いさえ理解せずに取材する記者が多いという。私自身一般的な知識しかないがここ数年クローズアップされる事が多い問題である。マスコミで取材する側が間違った認識を持ち差別発言をするとは驚きを隠せないが、それでも関心を持って取り上げられることで周囲の認識も少しずつ変化していると当事者達は感じるそうである。無理解や拒絶の前に先ず知るということは大切だろう。LGBTを題材にした映画も昨今多いような気がするし、周知させる為にも一役買っているのではないだろうか。娯楽から意識が向くというのも自然でいいかもしれない。本作はめずらしく自立出来ないシングルマザーが出てきたが、レイの為には行動を起こす。レイが顔を殴られた時夕食になる予定の生のチキン(おまけにハーブの詰め物が見える)を押し当て3人で大笑いする場面が結構強烈に可笑しい。そんな仲の良い家族がクレイグ達と新たな関係を築きつつ、次のステップへ踏み出すことになる。当時17歳のエル・ファニングが体を鍛えて撮影に臨んだというだけあり、中性的で可愛い男の子にも見える。ドリー役のスーザン・サランドンが少しとぼけた意気軒昂な祖母役で楽しませてくれる。

★★★☆☆ 良い俳優陣と良い脚本

本当にこのメンバーで描ける題材なのかと、当初は全く期待していませんでしたが、蓋を開けると思っていた以上に切り込んだ内容で面白かったです。直前に『タンジェリン』という、これまたLGBTQの人々を描いた作品を鑑賞しましたが、そちらは本物のリアリティに圧倒されました。ハズレがほぼないため、LGBTQの人々を描いた作品があれば無条件で鑑賞してしまう今日この頃。3世代同居世帯で、息子が性同一性障害、母親はノーマル、母方祖母が女性同性愛者という構成。まぁ、揉める揉める(笑)。母親はノーマルだと思ってたら、後半でかなりアブノーマルに近い人だと判明したりと、わちゃわちゃの大混乱状態に。祖母の過保護で天然な性格も災いして、さらに絶妙に絡まりあってゆく糸の束に「あらぁ~・・・」という感じで、口をあんぐりと開けながら修羅場を楽しませていただきました(他人の不幸は蜜の味)。昼ドラとか、韓流ドラマを録画して観る時間がある方には、断然こちらの作品をおすすめしたいですね。後味は良いです。

★★★☆☆ 子どもより母親が主人公。ひとつの家族の生まれ直しのお話。

ジャケットとあらすじを見ると、ティーンのトランスジェンダーの子が主人公の、悩みも描かれるがわりとポップな青春のお話、というように見えますが、実際に見てみると、私的には、子どもが主人公というより、その子によって翻弄されたり、自分を見つめたり、変化する、母親が主人公のお話のように感じられました。あとはジャケットのようにそんなにポップじゃない笑 なかなかシリアスなドラマです。どちらかというと母親が主人公と書きましたが、もちろんトランスジェンダー当事者なら共感する、または自分とは違うな~と思って響く部分はあるでしょう。しかし別にトランスジェンダーの子を持つ親に限らず、ティーンの子を持つ親、シングルマザーの親、だれかの親である人であれば興味深い映画だと思います。LGBTQカテゴリの映画である前に、ひとつの家族についてのお話です。

作品の詳細

作品名:アバウト・レイ 16歳の決断
原作名:3 Generations
監督:ゲイビー・デラル
脚本:ニコール・ベックウィズ
公開:アメリカ 2017年5月5日、日本 2018年2月3日
上映時間:92分
制作国:アメリカ
興行収入:40万ドル
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