かつて世界がうらやむようなまばゆい男たちが日本にいた
演じるオールグレン大尉と同様に、トム・クルーズ自身が日本の武士道に心酔していく姿が伝わってくるアクションロマン超大作
ストーリー:トム・クルーズ演じるネイサン・オールグレン大尉は南北戦争にて名誉と国のために命を賭けた英雄であった。しかし、戦争が終わり、時代の変化とともに、彼が戦った戦闘は今や過去のささやかな出来事に変わり果て、さまよえる男となっていた。渡辺謙演ずる勝元はサムライ一族の長であり、深く尊敬されている男だ。明治維新後の日本、押し寄せる近代化の波の中、勝元はサムライの時代の終わりを察知していた。しかし勝元は戦わずして去るつもりはなかった。日本初の近代的軍隊を訓練する教官としてオールグレンを雇った時、二人の戦士の運命がひとつに重なる。
キャスト:トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之、小雪、小山田真、ティモシー・スポール、ビリー・コノリー、中村七之助、トニー・ゴールドウィン、スコット・ウィルソン
★★★★★ 原作:ネイサン・オールグレン、著:サイモン・グレアム
言わずと知れた大ヒット映画。下手な日本の時代劇よりもよっぽど面白い。そういったところは他レビューや多くの記事で語りつくされているので割愛。それまでの西欧映画にあった、コメディーのような「間違った日本感」はない。渡辺謙を始めとした日本俳優陣が演じる「日本」は芯がきちんと通っていて、そこに日本人としてまったく違和感を感じない。(真田広之など英語の話せる俳優陣や日本人スタッフが、演出面で「日本人から見ておかしく感じる部分が無いか」といった部分で常に意見を述べていたらしい。)とはいえ細かいツッコミどころは多々あるし、やや大げさな演出も見受けられる。「サムラーイ」とか「ブシドー」とか無駄に連呼してるし。ただ、最後まで見終わってふと思う。劇中で明確にそういう説明があったわけではないので、これは私の想像だけれど。この物語は「主人公であるオールグレン大尉の手記を託されたグレアムが、その内容を元に翻訳・出版したストーリー」という体をとっているんじゃないだろうか。この映画はグレアムの語りで始まり、グレアムの語りで終わる。劇中にも、上記への繋がりを匂わせる描写はちらほら出てくる。そう考えると、「細かなツッコミどころ」や「やや大げさな日本演出」が逆に面白味を増す。なるほど、オールグレンやグレアムが見て感じた日本、そこに生きる「元」侍たち、そして武士道。彼らの目にはこんなふうに写り、こんなふうに感じられていたのかもしれない。
★★★★★ 背筋を伸ばして観てしまう。
何度も観てるがその度に泣けてしまう。侍・武士道が欧米人にどの様に写ったかは分からないが、この映画が上映されてから益々刀や鎧を求めて海外から日本に観光客が増え始めた。(←いいんだか、悪いんだか)何ともスケールの大きい作品。監督・脚本は、しっかり日本の文化を勉強してると思う。珍しくエキストラは本物の日本人を採用している所も好感が持てる。改めて、トム・クルーズは凄い役者だと思わされる。謙さんもいいが、真田さんの迫力は半端ない。日本を代表するハリウッドで活躍する唯一の役者でもある。字幕を見ているとかなり???があり、日本語の細かく、繊細なニュアンスは、どうしても英語に翻訳出来ないのも頷ける。やはり日本語は世界でも一番難しく、綺麗だなと心底思う。言葉を大事に使いたいものだ。小雪さんの心情を抑えた演技もたまらない。侍精神は奥が深く、それ故に安易に刀を買い求め、侍・武士の真似は止めてもらいたいものだ。(笑)
★★★★★ 今なお熱く語られる映画
2003年の公開当時から、もう何度鑑賞したのか分かりません。今回の視聴は、フランス人の友達との会話がきっかけでした。外国の方と知り合い、私が日本人だと知ると「The Last Samuraiを知っているか」みたいな話が出ることがあります。その度に感動を語る熱量にやられ、私もまた観てみたくなるのです。歴史ファンタジーですから、引っかかる点がなくはないですが、それでこの映画の価値が下がることもありませんでした。おそらくは西南戦争と箱館戦争からエピソードを抽出し、作った脚本なのだと思います。徴集された新兵たちが、薩軍の抜刀戦術に恐れおののき、警視抜刀隊が生まれた話や、榎本武揚らと共に箱館戦争を戦ったジュール・ブリュネがネイサンのモデルであろうことなど、歴史好きな人なら視聴しながらいろいろなことが頭に浮かぶことでしょう。物語は、どんなものでも最終的に”Who am I?”という問いかけに帰着させてみることができたりしますが、この映画も歴史的な諸要素を排除し、演出としてシンプルな設定にしながら、勝元の死をうけ陛下が口にされる”We can not forget who we are.”という言葉に向かっていきます。勝元の「武士道はもう必要とされていない」という言葉にネイサンが「なによりも必要だ(What could be more ecessary)」と答えます。観る人それぞれに必要なものはありますが、誇りの持てない戦いに身を投じ続けたネイサンにとって、心の安寧はそこにあったのでしょう。戦いに勝つため、豊かになるため、生き抜くため、アメリカンインディアンとの戦いや、近代化や西欧化もそれぞれに「必要」ではあったのかもしれません。そして、一つの必要性を強く推し進めると、別の必要なことが見えなくなってしまいがちなのは人種、時代を問わず普遍的なことなのでしょう。最後に役者陣は皆さん素晴らしいですが、中でも真田さんの絵力には圧倒されます。立ち姿も、乗馬姿も殺陣も、本当に美しい。僅かなセリフしか与えられなかったのに、なんと印象に残ることか。トム・クルーズサイドが真田さんのカット数を減らすように要求したという話も頷けます。
★★★★☆ 文学と娯楽のバランスが取れている点に感心
うん、おもしろかった! 公開当時、話題になっただけのことはある。驚いたのは、日本の描写がまったくと言っていいほど不自然でなかったこと。また、武士道を語るという文学的作品としての志向と、大作映画としてアクションを描かなければならないという使命とのバランスが取れている点に感心した。特に武士道とか日本に対しては敬意を払って作られている印象を受けた。私は戦争嫌いで、命を無駄に捨てる行為には眉をひそめる(それだけに、オールグレンが原住民の殺戮に加わってしまったことを恥じて酒浸りになっている姿に胸を痛めた)が、しかしその一方でプライドを重んじる気持ちもわかるので、勝元をはじめとする侍たちが名誉ある死を選ぶ気持ちもわかる気がする。それにしても15年も昔の作品なのに、トム・クルーズが今とさほど変わらないように見えるのはどういうわけか? 私の目がおかしいのか。それとも、まさか本人が年をとるのをやめてしまったわけではあるまい(笑)
★★★★☆ 渡辺謙さんの迫力ある演技が映える作品
よくアメリカのスタッフに、古い日本の美しい風景、凛とした日本人の振舞い、サムライの精神などを盛り込んだ
非常に美しい作品が作れたものだと感じました。黒澤明のチームが、撮るような品の良い映像だと感じます。ストーリーは、やや単調なところもありますが、サムライ・スピリットを描いた作品としては、非常に良くできていると感じています。渡辺謙さんの迫力ある演技が映える作品でもあります。最後の本格的時代劇俳優が、このような作品で記録されることはうれしい限りです。黒澤映画にも出演して欲しかったです。
★★★★☆ 武士道 最後の戦い
現在、日本で失われた武士道とは何か?・・・を強く教えられます。勝本自決のシーンで敵兵が全員敬意を表す姿は感動します。
★★★☆☆ 清貧な村での生活が素晴らしい
明治維新直後の日本という設定だったが、大村とか勝元とか聞いたことのない人ばかり出てくるな~と思ったら,史実とはなんの関係もないただの時代劇なんですね。偶然の事から囚われの身になってしまうオールグレン(トムクルーズ)だが,そのしばらく過ごす事になる村がとてもいい、と思った。貧しいながらも皆礼儀正しく、規則正しい生活をしていてあまり信心深くないオールグレンさえも宗教の信者のような敬虔さを覚える。そしてブシドーやサムライに魅せられていく・・・。美しいような気もするのだが、この映画でいう所のブシドーが日本に最後まで残り,最終的には太平洋戦争にまでつながっていくと思うと・・・それでいいのか?という気はする。
作品の詳細
作品名:ラスト サムライ |
原作名:The Last Samurai |
監督:エドワード・ズウィック |
脚本:ジョン・ローガン |
公開:アメリカ 2003年12月5日、日本 2003年12月6日 |
上映時間:154分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1億4000万ドル |
興行収入:4億5600万ドル |
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