ドラマ

マイ・プライベート・アイダホ

鬼才ガス・ヴァン・サント監督が青春の切ない痛みを描いた傑作ロード・ムービー

ストーリー:ストリート・キッドのマイク(リヴァー・フェニックス)は、男娼として街角に立ち、少年を好む中年男性を相手に体を売って日銭を稼ぐ日々を送っている。ある時、マイクは記憶の中の母親に良く似た女性客を前に持病の睡眠発作を起こしてしまう。眠り続ける彼を助けたのは男娼仲間のスコット(キアヌ・リーブス)だった。彼は市長の息子であり何不自由なく育ちながらも、見せかけだけの家庭に嫌気がさし、家を飛び出していた。ある日、マイクは行方不明の母親を探す決心をし、スコットと共に、兄リチャードが暮らす故郷のアイダホへバイクで向かう。マイクが旅の途中で告げたスコットへの想い、兄リチャードの衝撃的な告白。やがてマイクとスコットの道は二つに別れていく・・・。愛と友情、それぞれのアイデンティティーを求めて旅したボートランド、アイダホ、ローマ、彼らが旅の果てに見たものは・・・。

出演:リヴァー・フェニックス、キアヌ・リーブス、ジェームズ・ルッソ、ウィリアム・リチャート、キアラ・カゼッリ、ウド・キア、フリー、グレイス・ザブリスキー、ジェームズ・カヴィーゼル

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 夭逝の天才に

リバー・フェニックスの姿をまた見たくなり、久しぶりに鑑賞しました。本作で彼は数々の主演男優賞を受賞していますが、今改めて観ると演技自体はそれほどではなく、というかあまりに自然体であり、人々が彼に特別な賞を贈った理由は、(割愛しますが)彼の複雑な生い立ちが役に滲み出たその痛みへの称賛のように感じました。中年になったリバーが見たかった。キアヌと公園に並んでサンドイッチを食べていたかもしれませんね。

★★★★★ 若く美しく才能に溢れる俳優の秀作

公開当時に見て以来、切なくて再び見るのを避けていたら長い年月が経ってしまった。この作品以降のキアヌは様々なジャンルに挑戦し成長し、今や『スピード』や『マトリックス』が彼の代表作として有名になっている。この映画には、特撮も派手な演出もない。素晴らしい脚本と若く美しい将来性に溢れる二人の俳優の演技力だけ。でも、それに鳥肌が立つ。どこまでも純粋で不器用なマイクと割り切って自分の人生を歩んで行くスコット。別の道を歩み始めたときのスコットの表情に、どんな特撮よりもゾゾッとする。愛に飢え、愛に振り回されるマイクを演じるリバーの演技力は圧巻。もっと長く見ていたかった、惜しい俳優を無くしたと思う気持ちとも重り合って、一層切なさが増す。勝手な想像だけど、キアヌが50代になり、スキャンダルやトラブルまみれのハリウッドスターたちとは一線を画しているのは、若いころに、こうした作品や俳優との出会いがあったからではないかなと思えてしまう。『真夜中のカーボーイ』、『テルマ&ルイーズ』に通じるものがある。永遠の秀作。

★★★★☆ どちらかのファンなら見なきゃダメ!

キアヌ・リーブスとリバー・フェニックス共演が売り?の作品ですが、意外とテーマが重く、後に亡くなってしまったリバー・フェニックスの生き急ぐ感じが出ています。万人向けではないですが、なかなか見ごたえのある作品です。若きキアヌがすごくカッコいいです。

★★★★☆ 役者として二人を評価しているなら

昔映画館で見たきり、以来ずっと気になる作品だったので、とくにリバー・フェニックスを再確認したくて購入。自分さがし、自分づくりの発展途上若者、といった役柄が多いリバー・フェニックスだが、本作における彼の好演がなければ相方のキアヌ・リーブスは絶対に成り立たないと言えるほどにすごい。もちろん、すぐれた脚本と監督の演出にもよりますが。『スタンド・バイ・ミー』『旅立ちの時』そしてこの『マイ・プライベート・アイダホ』は、真剣に自分さがし、自分づくりをしている若者(と精神的若者)には必見の三作セットです。それにしても、若死には惜しまれますね。

★★★☆☆ リバー・フェニックスの死で伝説となった映画

実際のリバー・フェニックスの遺作は、『愛と呼ばれるもの』ですが、彼の死のおかげで、この『マイプライベート・アイダホ』も伝説と化しました。しかし、実際の内容は、自由に生きようとする若者の社会、親に対する反抗、親の愛が得られず、精神的に抑圧された若者の葛藤がロードムービー的に描かれますが、きちんとしたストーリーはなく、先が見えず、観ていて疲れます。救いは、若い頃のリバー・フェニックス、キアヌ・リーブスのかっこよさ(美しさ)ですね。彼らのファンなら、これだけでいいと思います。もし、ファンでないなら、観るに堪えない中身の無い映画です。

作品の詳細

作品名:マイ・プライベート・アイダホ
原作名:My Own Private Idaho
監督:ガス・ヴァン・サント
脚本:ガス・ヴァン・サント
公開:アメリカ 1991年10月18日、日本 1991年7月20日
上映時間:102分
制作国:アメリカ
製作費:200万ドル
興行収入:600万ドル
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