キャメロン・ディアス他、ハリウッドを代表する5人の女優が共演!
ストーリー:ロサンゼルス郊外に暮らす5人の女性たちの人生に訪れた転機を描く。老婆を介護する女医、不倫中の銀行の女性マネージャー、ひとり息子に情愛を注いできたシングル・マザー、不治の病に侵された恋人と暮らす占い師、盲目の妹を持つ刑事。いずれもが将来の伴侶がいない独身で、男性に頼らず生きている。彼女たちは独力でキャリア上の成功を勝ち取り、経済的にも自立した満足できる生活を送っているように見える。だが、ふとしたきっかけで立ち止まり、本当の愛を求める自らの気持ちに気づくことになる・・・。
出演:グレン・クローズ、ホリー・ハンター、キャシー・ベイカー、キャリスタ・フロックハート、キャメロン・ディアス、エイミー・ブレネマン、ヴァレリア・ゴリノ
★★★★★ 女性の曲がり角って大変なのよ
つまらないタイトルで、豪華女優人が出ている割には、オムニバスの地味な感じ・・・なんて思ってはいけません。それぞれのストーリーの深さと、女優陣の演技の巧みさは、鼻に付くほどでなく、自然に引き込まれる心地よさを感じます。どのストーリーをとっても、大人の女性ならぐっとくるシークエンスが凝縮しています。年代別のワーキングウーマンの寂しさが特にジーンときます。グレン・クローズとホリー・ハンターには、特にプロの演技の素晴らしさ、そしてキャメロン・ディアスとキャリスタ・フロックハートには、若手女優の意気込みを感じます。だからと言って、けっして押しつけがましくないこの素晴らしい作品を是非多くのワーキングウーマンに見て欲しいと思います。
★★★★★ 地味な人生が最もハード
この映画、地味に良かった。30代から50代くらいの女性が何人か登場する。どの人も皆、人には迷惑をかけないように、たとえ日常がパッとしなくても(その原因となる荷物を抱えていても)愚痴らずに前向きに生きている。他人から見れば強い人に見えるのかもしれない。でも本当は弱い。弱い人間がストレスを抱えながら、努めて「正しく」生きるということは大変なことなのだけれど、誰にも評価されなくたって彼女たちはそうしてきた。20代くらいなら、そうやって正しいことをし続けていればきっと未来は開けるはず、という夢も持てるだろう(というかギリギリ私はそう思っていた)。でもパッとしないまま歳を取っていくことだってある。それがこの映画に登場する女性たちだ。誰も褒めてくれないなら映画を観ている私が褒めたい。ラスト、それぞれに本当にささやかな希望の光が示される。うまく行きますように、と祈らずにはいられない。
★★★★★ 明日の希望を描いた切ないドラマ
「女の人生を推測するなんて愚かしいわ。出口のない人生に疲れたのよ かかってはこない電話、守られる事ない約束、同じ石につまずく日々…彼女の心の奥など誰にもわからない。無理なのよ、誰とも分かち合えない」。ラストのこのセリフが表す様に、画面の中の女性たちは皆一人で戦っている。ただうなだれているのではなく自分の足で立ち上がれる強さと聡明さを持っている。何気ない日常生活では気付かない孤独を抱えて躍進し続ける全ての女性たちは、このフィルムを観てラストのキャメロン・ディアスの流す涙と切なさに心打たれると思います。キャリスタ・フロックハートのブロンドなびく顔半分のパンフレットの表紙がとても綺麗でした。
★★★★★ とっても豪華な女優陣
滅多に出会えないようなとてもしっくりとくる映画でした。それは見終わってから感じたのではなく、見ている最中からずっとすごい吸引力で引き付けられていました。物語は5つのオムニバス形式により構成されていて、それぞれの物語の登場人物たちが微妙にリンクし合うというデリケートな作りになっています。どのお話も視座の中心には女性がすえられていて、女性の内面が語られているのですが、女性を描くことによって映ってはいない男性の側面があぶりだされていくという重層的な物語構成になっていると思います。監督はもともと撮影にずっと携わった仕事をしていた人らしく、美術にはそうとうの工夫と努力が見られます。風景がたんに風景としての役割以上の力を持って見るものに迫ってきます。脚本も監督自ら筆を取っています。力作です。それにしてもこの映画におけるホリー・ハンターはとても魅力的です。
★★★★☆ むしろ男性こそ観なければならない作品
ひとつひとつの仕草、台詞、表情、カットに、女性達の繊細な心の動きが見事に表されており、淡々としたオムニバス形式のヒューマン映画(あえて恋愛映画とは言わない。これはより高次の作品です)でありながら、アクション映画のごとく観る者をがっちり最後まで掴み続けます。当然女性が観れば多くの部分で共感できること間違いないでしょうが、むしろ男性こそ観るべき作品です。個人的に印象的だったのがホリーハンター演じる女性銀行支店長のエピソード。妊娠を告げられた際、「これが最後のチャンスかもしれない」との産婦人科医の問いかけに迷うことなくノーと答える彼女の覚悟。が、いかにその信念で覆い隠そうとしても、それを突き破って溢れる涙。私は男性ですが、ハンターの演技に完全に引き込まれ、女性が抱える重みに圧倒されるのみでした。むろん、この映画一本を観て「女」がわかるほど、男と女の壁は薄くはありません。けれど、女性という性が抱える特有の痛み、悩み、その向こうにある女だからこそ得られる幸福を垣間見せてくれるこの作品、ひとりでも多くの男性に観て頂きたいと思います。
作品の詳細
作品名:彼女を見ればわかること |
原作名:Things You Can Tell Just by Looking at Her |
監督:ロドリゴ・ガルシア |
脚本:ロドリゴ・ガルシア |
公開:アメリカ 2000年1月22日、日本 2001年5月19日 |
上映時間:109分 |
制作国:アメリカ |
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