彼は空港で待ち続けた、約束を果たすために・・・
「こんにちは」、「さようなら」そんな言葉を世界で最も多く耳にする場所、空港=ターミナル。そこは人間のあらゆる感情が散りばめられ、しかも生活に必要なものが全て揃っている”小宇宙”。そう考えれば、誰もが経験したであろう空港での足留めも、それほど悪いものでもない。ただし、待たされるのが、数時間から、数日間、数週間、さらに数ヵ月にまで及んだとしたら・・・。戦争によって祖国が消滅し、パスポートが無効になってしまった東ヨーロッパのクラコウジア人、ビクター・ナボルスキーは、空港でアメリカの門戸を閉ざされてしまう。やがて、彼は空港ターミナル内だけでの”小さな旅”に出るのだった・・・。
スピルバーグ監督は、上品に洗練されたテイストで『ターミナル』を極上のエンターテイメント作品に仕上げた。人間ドラマでありながら、心のアドベンチャーであり、しかも新感覚のファンタジー。彼がこれまで手がけてきた作品のあらゆるエッセンスが凝縮されているのだ。そんなスピルバーグとは『プライベート・ライアン』以降3作目となるトム・ハンクスも、監督と歩調を合わせるように、円熟味を増した貫禄の演技を披露。2年連続アカデミー賞を受賞した名演そのままに、主人公ナボルスキーを演じている。同じくアカデミー賞女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズも、主人公が惹かれていく孤独なフライト・アテンダントを演じ、作品に深みを与える大女優の風格を匂わせている。
ストーリー:ニューヨークJFK国際空港に降り立った東欧のクラコウジア人、ビクター・ナボルスキー(トム・ハンクス)。彼の祖国はクーデターによって事実上消滅し、パスポートも無効になってしまったため、帰国することも、アメリカに入国することも禁止されてしまう。行き場を失い、宛のない空港ターミナルでの生活を始めるが、彼はかけがえのない、果たすべきひとつの約束を抱えていた。
出演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、スタンリー・トゥッチ、バリー・シャバカ・ヘンリー、シャイ・マクブライド、ディエゴ・ルナ、ゾーイ・サルダナ、クマール・パラーナ、エディ・ジョーンズ、ヴァレラ・ニコラエフ
★★★★★ トムハンクスにスピルバーグで
面白くないわけがないだろうと。映画にものすごい説得力がありますね。最初は超カタコト英語のロシア語圏の主人公が、ありえない速度で英語を憶えるところだけ「それはいくらなんでも無理があるだろ」と思いましたが、その他にも、空港雑用の若者と税関職員のキレイどころとの恋愛とか、色々とさすがに無理があるだろ、と感じさせる内容なのですが、それを屈服させるくらい、スピルバーグの映画製作は説得力があるんですね。エンターテインメントとか、映画だよって、完璧に割り切って楽しめる映画作りがされていて、安心して誰もが楽しめる内容だと思います。
★★★★★ いろいろな人の交叉する国際エアポートの妙
アメリカという国は不思議である。日本から考えるとやや信じられないこともあるほど、厳格なところ・ルーズなところの落差が激しい。空港での出来事でこれほどすごいことは見たことがないが、トムハンクスの渡米目的・周りのスタッフとの友情など、管理官の裁量で十分何とかなりそうに思うが、そこだけは通さないのが、「アメリカ」なのかもしれない。
★★★★★ 人と人との温かい関わりを描く。
この映画は、とても心温まる素敵なドラマだと思います。異国の言葉もろくに通じない空港に閉じ込められてしまうハメになったナボルスキー。最初、とても不安で孤独だと思う。しかし、彼なりに頑張って様々な空港の人々と関わり、温かい人間関係を築いていく。コメディーあり、笑いあり、恋愛あり、ドラマありで音楽も良いし、とても素敵な作品に仕上がっていると思いました。ナボルスキーがニューヨークにやってきた理由も、なんかオシャレでけっこう感動的です。この映画は、観た後にほっくり心が温まっている、そんな映画だと思います。
★★★★☆ 映画館で見たけれど
DVDを買おうと思う。特別にすごい作品というわけではないと思うが、なんだか心に残るものがある。それはやはりトム・ハンクスの魅力もあるが、他の役者さんたちもとてもいいからだ。外国へ行くということ、その国の言葉を理解できないということの重大さ、肩書きも国籍も何もかも取っ払ったとき、自分には何が残るのか?何ができるのか?そんなことをいろいろ考えながら見ていました。映画の中では彼が故郷でどのように生きてきた人物なのか、ほとんど語られていなかったが、むしろそのことが、突然昨日までの自分の暮らしを失うことの恐ろしさ、祖国が突然消えてしまうということ、その存在の危うさをいっそう感じさせて、彼がどんなに心細かったかが伝わってくるようだった。映像の中で語られていることの背景まで、いろいろ考えずにはいられなかった。
★★★★☆ 心温まるお話でした
映画はあまりヒットしなかったようだけど、どうしてなんだろうか? そんなに悪い内容でもなかったんだけどな。作品テーマは地味ではあるけれど、その地味な素材をうまく使い、これだけちゃんとした物を作れる監督の手腕には、さすがはスピルバーグだと頷けてしまうものがあった。トム・ハンクスが演じる主人公の男も、なんとも言えぬ惚けた感じで味わいがあり、この映画をさらに魅力的に盛り上げてくれる。そんな主人公の周りに登場する人々も、みんなどこか憎めない連中ばかりである。中にはちょっと意地悪な人物も登場はするが、それでも彼らはみんな、どこか根は善良なんだと思った。これから寒くなる季節には、こういう心温まる映画なんかを観て、ホンワカとした気持ちになるのも悪くはない。ラストのあの至福の終わり方は、まさにそんな気持ちにさせてくれるエンディングであった。
作品の詳細
作品名:ターミナル |
原作名:The Terminal |
監督:スティーヴン・スピルバーグ |
脚本:サーシャ・ガヴァシ、ジェフ・ナサンソン |
公開:アメリカ 2004年6月18日、日本 2004年12月18日 |
上映時間:129分 |
制作国:アメリカ |
製作費:6000万ドル |
興行収入:2億1900万ドル |
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