ドラマ

タイガーランド

タイガーランド(アメリカのベトナム)、それは戦地に赴く最後の訓練の地。僕たちはまだ本当の戦争を知らなかった・・・

ストーリー:1971年、激化するベトナム戦争のために次々と若者が戦地に送り込まれ命を散らしていた頃、ルイジアナ州ポーク基地に戦争に反抗する二等兵がいた。彼の名はボズ(コリン・ファレル)。常に人生の責任から逃げてきたボズは、軍隊からも逃げ出したくてたまらない。彼のさまざまな抗議行動は戦争と軍隊の欺まんをさらけだしていくが、同時に隊の若者たちに動揺を与える。潰されかけていく者を、軍規の抜け道を使って次々と除隊させていくボズ。しかし、ボズの努力にもかかわらず、彼らは”タイガーランド”へ送られていく。そこは、ジャングルでの戦闘シュミレーションのために軍が作り上げたベトナム、最後の試練の場所だった。そこでボズは、自分でも予想も出来なかった行動に走ることになる。

スピルバーグに抜擢された期待の若手俳優コリン・ファレル
心に矛盾を抱えた完壁でないヒーロー、ボズを演じるコリン・ファレルはこの作品をきっかけに、ジョエル・シュマッカー監督の次回作「フォーン・ブース」では主役、スピルバーグ監督の最新作「マイノリテイ・リポート」ではトム・クルーズの相手役、 “Hart’s War”ではブルース・ウイリスと共演と、話題作の出演が次々に決まっている注目の若手俳優である。また、語り部でもある友人パクストンに抜擢されたマシュー・デイビスは「パール・ハーバー」に、小隊長マイターを演じるクリフトン・コリンズ・Jrは「トラフイック」にと、この映画を経てフレッシュなスターが誕生している。

出演:コリン・ファレル、マシュー・デイビス、クリフトン・コリンズ・Jr、トム・グイリー、シェー・ウィガム、ラッセル・リチャードソン、ニック・サーシー

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 反旗

戦場で兵士の気が狂うかどうかを左右するのは、小隊の指揮官の人柄らしい。思いやりにあふれ、部下をかばい、困難に決然と立ち向かうリーダーの姿が、部下を鼓舞し、チームに協調と安心をもたらす。主人公ボズはまさに指揮官にふさわしい男だ。仲間をかばい、信念を崩すことなく、一貫した態度をとり続ける。こんな男が昂然と軍に反旗を翻した。彼を中心にまとまりを取り戻した正体は軍組織を揺さぶる。ボズの温かい言葉に心を動かされ、軍隊に入らざるを得なかったいきさつを打ち明ける兵士達の表情が忘れられない。

★★★★★ 戦場の出てこない反戦映画

ベトナム戦争を描いた映画といえば、アメリカ史における汚点ともいえる泥沼の戦場を描いた名作が過去にもたくさんあるけれど、この映画は、ベトナムではなく、アメリカ国内の軍隊の訓練場が舞台という点でかなり変わっています。ベトナム送りになる新兵たちの最終訓練場であるタイガーランドは、ベトナムそっくりに再現された地獄の訓練場。「地獄」とはいえ、そこはベトナムではなく、すべて実践を想定した「訓練」にすぎない。でも、その毎日は、恐ろしく閉塞感に包まれています。彼らは、数日後には、タイガーランドよりも恐ろしいベトナムに送り込まれる運命であり、しかも、この戦争がすでにアメリカにとって「負け戦」であり、自国の国民からも支持されていないことも知っています。何のために戦争へ行くのか。なんのためにベトコンを殺すのか。何のために殺されるのか。答えも分からないままに、脱走することもできず、ただただベトナム行きの日が近づいてくる。体力的に限界までしごかれる若者たちの中で次第に膨らんでいくうっぷんと狂気。そのなかで、一人だけ「みんなで生き残ろう」とよびかけるボズの希有なキャラクターが際だちます。口角泡を飛ばして罵倒する軍曹に向かって「女装の軍曹様で?」とサラリと答える新米兵がこの映画のほかに描かれたことがあったでしょうかか?ボズの不思議キャラと、設定の特異さが、他の「ベトナムもの」「アメリカ軍隊もの」とは一線を画しています。蜂の巣にされたり、手足がちぎれたり、爆弾で死ぬ人は誰一人出てきません。そういった「戦争の残酷さ」ではなく、普通の若者たちが、軍隊という非日常で隔離される中での不条理さが丁寧に描かれることで、見終わるとしみじみとした反戦メッセージが伝わってきます。戦争もの、軍隊ものの映画が好きな人には、今までにない視点の映画で、とくにお勧めです。

★★★★☆ 漢(おとこ)を演じたコリン・ファレルの出世作

舞台はベトナム戦争後半の1971年、米国内の新兵訓練場、戦場ではない。国内外でベトナム反対のキャンペーンが激化し、68年11月に始まったパリ和平会議が中断、再開を繰り返しながら戦争終結を模索していた時期。ボズ(コリン・ファレル)は過去の戦争に参加していたら勲章をもらってもおかしくない優秀な兵士。だがベトナム戦争がこれ以上続ける意味のない戦争だとわかっている。上官の命令は絶対の軍隊でボズは信念をまげようとせず、訓練中の小隊長の命令に逆らったり、仲間の新兵を裏ワザを使って除隊させる。しかし小隊長の命令が機関銃の正面に突撃しろという非合理的なものであり、除隊させた新兵は生きて帰らなければならない理由があるから。自分が除隊したら、代わりに他の誰かを行かせるのを許せないというプライドも持つ。戦争に行きたくないだけの新兵も除隊させるが、彼を軽蔑する一面もみせる。ボズは少年時代に熱中した松本零士の戦場マンガシリーズに出てくる兵士を彷彿とさせる。その生き方は反社会的かもしれないが、信念に従うその姿に本当の漢を見た気がする。

作品の詳細

作品名:タイガーランド
原作名:Tigerland
監督:ジョエル・シュマッカー
脚本:ロス・クラヴァン、マイケル・マクグルーサー
公開:アメリカ 2000年6月15日、日本 2001年10月6日
上映時間:101分
制作国:アメリカ
製作費:1000万ドル
興行収入:13万ドル
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