全米スペリングコンテストに出場する幼い娘を中心に、崩壊した家族の再生を描く
ストーリー:大学教授で宗教学者のソール(リチャード・ギア)は、知的でパワフル、カリスマ性に満ちている。家では率先して料理を作り、バイオリンも弾き、何事にも完璧さを求める。彼の期待は学業優秀の息子アーロン(マックス・ミンゲラ)に一心に注がれていた。娘のイライザ(フローラ・クロス)が単語の綴りを競う<スペリング・コンテスト>の地区大会に勝ち進むまでは。ソールの関心はアーロンから離れ、イライザへ注がれるようになる。イライザの並外れたスペリング才能に、彼の学術的興味は大いに刺激されるのだった。すべての情熱と時間をイライザに集中させるソールとそれに振り回されるイライザを、苦しい表情で遠くから見つめる母ミリアム(ジュリエット・ビノシュ)。次第に、家族の関係はバラバラに崩れていく・・・。イライザはそんな家族を修復できるのは自分だけだと気づく。彼女は崩壊した家族の絆を、元に戻すことができるのか?
出演:リチャード・ギア、ジュリエット・ビノシュ、フローラ・クロス、マックス・ミンゲラ、ケイト・ボスワース
★★★★★ 綴り字のシーズン
この映画はもしかしたら多分に映像がマニアックなのかもしれません。私にとっては心の琴線に触れて、記憶に残るシーンと共に忘れられない映画になりました。一番好きなのはイライザがスペルを想い出す時に目を閉じて沈黙すると顔の周りをタンポポの綿毛が舞い、スミレの花が開き、オリガミのハトが飛びながら文字を教えるところ。何度みても見惚れてしまう美しさです。この少女が壊れた家族を取り戻すために、解りきったIを敢えてYと答えた瞬間、この少女にとって最も大切なものは名誉でもなんでもない。家族の絆なのだ、そこに気付いて!パパ!と叫ぶ声が聞こえました。母親の万引き癖も万華鏡の倉庫も脈絡はさておいて女性特有のバランスの崩れ方として理解できる。なにしろ映像が綺麗。少女が綺麗。
★★★★★ O・RI・GA・MI
最近、愛に飢えているのかなぁ・・・映画を観ていて泣いてしまいました。でも、気持ち良い涙でした。言葉や文字の持つ力、それは計り知れないもの。バラバラなアルファベットの文字1つ1つが組合わさって1つの意味を持つ単語になっているのは、まさにこの映画が描く家族のカタチ。完璧な家族が、いつの間にかバラバラになり、そして本当の家族になっていく。ありがちな話だけど、家族と離れ1人暮らしの自分にとっては感慨深いものがあった。そして、キーワードが日本語の『オリガミ』というのが、また家族のもつ温かさを感じさせてくれた。もう一回、じっくり観たい映画です。
★★★★☆ 難しいが・・・
とても難しい内容だと思う。まず出てくる人物が皆変わっている。父親はインテリの神秘主義者、母親はだんだんと精神的におかしくなる犯罪者、兄貴は恋愛とヒンズー教にはまりだす。そして主人公の女の子は不思議な力を使うちょっと気弱そうな女の子。 しかしこういう見方もできると思う。父親は何か特別な成功、価値を見出そうとする向上心溢れた人物、母親は過去のトラウマに悩む心優しい人物、兄貴は父親の期待に疲れ果て、自分探しをしている人物。そして女の子は、自分が家庭の中でどんな役割を果たせばよいのか、一生懸命考え悩む人物。私たちの日常にもあると思う。望んでなくとも・・・。この映画の主題は宗教の話ではないと思う。崩壊していく家庭が、どうやって回復していくかの本質が描かれていると思う。家庭は決して裁いたり、変に愛し合う場ではないと思わされた。ただ自分が自分らしくいられる場所、自分らしくへ癒されていく場所だと教えられた。離婚家庭が増えていく中で、ぜひもう一度家庭を考えていきたい。
★★★☆☆ 不思議で幻想的な世界観。
不思議で幻想的な世界観。Spelling beeを題材に、信仰と家族に関するストーリーを合わせていて、映画だけど映像/音楽/演出も込みで文学的な印象を受けた。同名ベストセラー小説が原作だと知ってなるほど〜、となった。娘役フローラ・クロスの、知的で繊細な雰囲気と演技が素敵。表面的には良き夫であり父で、ユダヤ神秘主義とその言葉に傾倒しているのに、実は周りが見えていなくて、空虚な言葉を発して家族の関係を歪ませてしまったパパをリチャード・ギアが好演してる、目がいいね。物語のキーワードとして、「世界を修復/正常化する」という意味のヘブライ語 Tikkun Olamがあってこれは “創造時に存在した秩序ある世界の再樹立のために果たすべき人類の役割を表す観念” みたいなことを表すのだけど、娘ちゃんの行いを通して家族の光が集められ、壊れた (家族の) 世界の修復が為される、っていうのが、パパの行いとの対比の中で描かれていて、言葉とストーリーの編み込まれ方は面白いなと思った。僕は小説で読んでみたい気持ちになっちゃったのと、宗教知識が前提にないと面白味が分からないかもなーなところはマイナスだけど、でもでも、なんか世界観あって良かったよなあな気持ちもあって星3つ!
作品の詳細
作品名:綴り字のシーズン |
原作名:Bee Season |
監督:スコット・マクギー、デヴィッド・シーゲル |
脚本:ナオミ・フォナー・ギレンホール |
原作:マイラ・ゴールドバーグ |
公開:アメリカ:2005年11月11日、日本:2005年12月23日 |
上映時間:104分 |
制作国:アメリカ、ドイツ |
製作費:1400万ドル |
興行収入:600万ドル |
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