ニューヨークの頂点に立つ男と、若き補佐官。一発の銃弾が真実を暴く時、彼らの運命は変わってゆく。
ストーリー:ニューヨーク、ブルックリン。刑事とマフィアの間の銃撃戦でふたりが死亡。さらに一発の流れ弾が幼い少年の命を奪ってしまう。この悲劇にマスコミが騒ぎ始め、次期大統領候補のニューヨーク市長パパス(アル・パチーノ)は、事件の処理を彼の右腕、若き補佐官カルフーン(ジョン・キューザック)に命じた。しかし、事件の裏に隠された真実に迫る彼のまわりで鍵となる人物が次々と殺されていく。事件への深入りを制止するパパス。そして、真実が暴かれるとき、固い信頼と友情で結ばれていたふたりの運命は大きく揺らぎ始めた・・・。
出演:アル・パチーノ、 ジョン・キューザック、ダニー・アイエロ、ブリジット・フォンダ、アンソニー・フランシオサ、マーティン・ランドー、リンゼイ・ダンカン
★★★★☆ いい映画です。
俳優もしっかりしてますが、監督もハロルド・ベッカーで、重いドラマをしっかりとした演出で見せます。たまには考えさせられたり、しっかりした社会派ドラマが見たいという方にはおすすめしたい一本です。
★★★★☆ ドラマです。いい映画です。
サスペンスというより、人間的社会派ドラマ。事故のように起こった射殺事件を、副市長のケヴィンが真相を突き詰めるべく折っていくうちに、マフィアのボスの陰謀や、政治の裏の取引などが、だんだんと明るみに出てくる。何が背後にあるんだろうという興味もともかく、アル パチーノはカリスマ性のある存在感でNY市長役を好演。ジョン キューサックは、ひたすら市長に忠実で仕事にひたむきな市長の片腕ケヴィン役にぴったり。彼を好きな人は、スマートな雰囲気のジョンをじっくり堪能できます。ダニー アイエロの演技も、さすが。結末も、ハリウッドハッピーエンディングでもなく、悲劇でもなく・・・。最後がわかってても、何回も見ても楽しめます。4つ星なのは、もう少し人間のキャラクターなり、ケヴィンの生き方なり、サスペンスとして深く追求したら、もっと重みが出ただろうなと思うから。この映画は、見る価値あり、絶対にお勧めします。
★★★★★「灰色」の現実社会を描いた傑作
「黒」や「白」ではなく「灰色」の世界を一貫して描ききった作品だ。その人間性と辣腕から市民の支持を集めるニューヨーク市長(アル・パチーノ)と彼を取り巻く黒い政治構造。それはある事件をきっかけに次第に浮き彫りとなっていく。市長を支える若き補佐官(ジョン・キューザック)はその事件の真実を追究していく中で、極めて深遠で複雑な「灰色」の世界を目の当たりにする。ストーリー自体は単純でありがちだ。要は事件の裏には「黒」い政治があったということ。ミステリー性も薄い。次第に事件の全貌が明らかになっていく展開だが、大した驚きもない。それに結局のところ事件の全貌は暗示するにとどまり、全てが明らかになるわけでもない。実話を基にしていながら物語のその後も語られない。政治サスペンスとして見ると消化不良の感は拭えないであろう。しかし、この作品の真髄は何より明確な答えのない「灰色」の世界を描いたことにある。だからこそ事件の全貌は明らかにならないし、ストーリーがラストで大きな進展を見せるわけでもない。そこにはいくら見定めようとしても実像をつかむことができない、「灰色=現実」の世界がある。終盤の補佐官と市長の会話で、物語は静かなクライマックスを迎える。そこで交わされる含蓄に富んだ言葉の数々。「灰色」の世界に生きる市長の信念に心を動かされながらも、自らの主張を曲げようとしない補佐官。そこで最後に市長が発する言葉こそが、この作品を傑作たらしめた。このラストの市長と補佐官のやり取りを反芻する度に、じわじわと感動が湧き出してくる。それだけ深い味わいのある作品といえる。単なる政治サスペンスではなく、政治を題材にした社会派人間ドラマ。間違いなく傑作である。
作品の詳細
作品名:訣別の街 |
原作名:City Hall |
監督:ハロルド・ベッカー |
脚本:ケネス・リッパー、ポール・シュレイダー、ニコラス・ピレッジ、ボー・ゴールドマン |
公開:アメリカ 1996年2月16日、日本 1996年10月5日 |
上映時間:111分 |
制作国:アメリカ |
製作費:4000万ドル |
興行収入:2000万ドル |
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