その男、話術で世間を煙に巻く
ストーリー:タバコ研究アカデミー広報部長ニック・テイラー。1日1200人殺す業界の”顔”として、禁煙の逆風吹き荒れる中、巧みな話術を武器に、日夜マスコミの矢面に立ち戦い続ける男(バツイチ、子持ち)。ハリウッドのスーパー・エージェントと組んで、<映画でタバコ作戦>の指揮をとり、タバコのパッケージにドクロ・マークを付けたがっている上院議員とやりあう刺激的な日々だが・・・。と間違いなしの1本!
出演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト、デヴィッド・ケックナー、ロブ・ロウ、アダム・ブロディ、ケイティ・ホームズ、ウィリアム・H・メイシー、J・K・シモンズ、ロバート・デュヴァル、キム・ディケンズ、サム・エリオット
★★★★★ タバコを題材にした知的なコメディ
原作を読んで面白いと思ったので、「映画の方はどんなもんだろう」と思って観てみた。まず、オープニング・シークエンスのお洒落なこと。これまでに作られたタバコのパッケージをモチーフにしており、このオープニングだけで、私は胸を鷲掴みにされた。そして、登場人物がタバコを喫むシーンは一度もない。本作はタバコを巡る論争を題材にしているが、それが本題ではない。いかにして相手を納得させるか(丸め込めるか)を描いたディベート映画である。詭弁や極論を駆使してタバコを擁護する広報係の主人公をアーロン・エッカートが好演している。個人的には、世間的には「悪いもの」とされている酒、タバコ、銃のそれぞれの会社の広報係が一人ずつ集まり、バーで愚痴るシーンが好き。どんな仕事にも苦労はあるだろうなぁと思うが、特にこの三つの業界で働く人たちは大変だろうと思った。
★★★★★ 愛煙家も嫌煙家も、とにかく楽しめるタバコ映画
タバコ業界のロビイストが、今の時代相当不利な状況ながらも、嫌煙派の勢力との宣伝合戦を繰り広げていくというお話。主人公をニヤケ顔の第一人者、アーロン・エッカートが務め、J・K・シモンズとロバート・デュバルがそれぞれ多分一番得意なタイプのキャラを演じて、脇をがっちり固めている。主人公がモノローグで軽快に話を進めていく系の映画。これ系は監督のセンスが問われる。失敗すると、単に分かりづらいだけの理屈っぽい映画になってしまうが、この映画は終始、皮肉の効いた、かつ笑いを誘う映像とセリフで満たされている。興味をひかれ、考えさせられ、ちょっとクスっとしながら一気に最後まで観終わってしまう。ネタバレになるのでストーリーの流れに触れるのは控えるが、この手の映画ではともすれば二の次になりがちな、ストーリー展開にも抜かりはない。喫煙者も非喫煙者も楽しめる、そんなおすすめタバコ映画です。
★★★★☆ 「ではあなた、自分の息子に煙草を吸わせますか?」
自分の職業とかぶるところもあり、非常に興味ぶかく本作を観ました。広報や宣伝という仕事はいかに「ないものをあるように見せるか」「悪い部分を隠してよく見せるか」が重要ですが、アメリカの時流が自社の製品と真逆の場合苦しいだろうなーーと傍から見ていて同情。ただこういう仕事は、黒を白と言い切ることで世の中に悪影響を与えていることが自明の場合、その職業にそもそも価値があるのか?という問いに当然至ると思います。それを端的に表したのが、作品中にも挙がった、タイトルの問い。私なら・・・NOですね。面白かったのはアメリカ人同士の論戦。「Aはひどいですよね?」と聞かれたときまともに答えず「いやでもBのほうがもっとひどい」と返す基本技から応用編まで盛りだくさんで面白かったです。
★★★☆☆ タバコは害なのか・・なっ もしかしたらそうでないかもっ(笑)
そんな想いにもさせてしまうようななんともおかしい映画です。ついこの間まで、市民権が合ったタバコは現在、最悪の習慣性麻薬扱い。 (笑)こんな誰が考えても”四面楚歌”・”前門の虎、後門の狼”の状態の中で、タバコをアピールするのが彼の役目。そして、そんな彼を尊敬している子どもの目。どうどうと、そしてしっかりとディベート術を駆使して彼は戦う。そんなやりとりが 今を風刺しているから面白い。ディベートの極意は、100%正しいといわず、相手の正論も取り入れて 巧みにこちらの論点に持ち込むこと (笑)ある意味、正しいことも間違っていることもどうどうとディベートで勝つ。アメリカらしい映画でした。
作品の詳細
作品名:サンキュー・スモーキング |
原作名:Thank You for Smoking |
監督:ジェイソン・ライトマン |
脚本:ジェイソン・ライトマン |
原作:ニコチン・ウォーズ |
公開:カナダ 2005年9月9日、日本 2006年10月14日 |
上映時間:93分 |
制作国:アメリカ |
製作費:650万ドル |
興行収入:3900万ドル |
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