人気絶頂のさなか自らの命を絶ったカート・コバーンの悲劇に想を得て、のG・ヴァン・サント監督が若きロック・スターの最後の日々を静かに綴った映像詩
ストーリー:みすぼらしい格好でひとり森の中をさまよい歩く青年。実は彼の正体は、現代のカリスマ的英雄として絶大な人気を誇る若きロック・スターのブレイク(マイケル・ピット)。薬物中毒の更生施設から脱走してきたばかりの彼は、森の中で一夜を明かすと翌朝、廃屋のような一軒の屋敷にたどり着く。そこは彼の別荘で、彼の取り巻き連中が常に居候状態でゴロゴロしていた。けれどもブレイクは、彼らと交わることもなくひとりぽつねんと孤独な時を過ごし・・・。
出演:マイケル・ピット、ルーカス・ハース、アーシア・アルジェント、キム・ゴードン、ハーモニー・コリン、リッキー・ジェイ、ニコール・ヴィシウス、ニコール・ヴィシウス
★★★★★ 良い意味で「何コレ?」
容の率直な感想としては・・・カート・コバーンの伝記だと期待して観ると、思いっきり裏切られる作品です。もちろん彼の死をコンセプトにしてることは明白ですが、伝記的な要素はまるで無いと言っていいと思います。全体を通して、カートを彷彿とさせる主人公ブレイクが、非常に不安定な状態で画面の中をうろつきまわり、カメラはひたすらそんな彼を後ろから追う・・・常時そんなかんじです。ただ、こうゆう表現はガス・ヴァン・サント監督特有の“伝え方”であるし、元々彼の撮り方が嫌いで退屈を感じてしまう人は、初めから見ない方がいいでしょう。途中で確実に寝ます(笑)
★★★★☆ 映像の奥行き
主人公ブレイクの、最後の1日が描き出されたこの作品。同じ日が様々な視点で映し出され、登場人物それぞれの動きが詳細に見聞き出来る撮り方は魅力的だと感じた。中には、それに飽きてしまう人も居るかもしれない。個人的に、そこを否定してしまえばこの作品の魅力は半減するだろうと思う。ブレイクの奇抜な行動や周囲の人々の表情、切り替わる視点によって人物像が鮮明にされている。説明の少ないこの作品にとって、無くては成らない演出法だと思う。煩すぎないミュージックも好感が高い。後半に、ブレイクがギター一本で歌を聞かせるシーンは、静かなこの映画の見せ場だと言えるだろう。ストーリー性はあまり感じられないが、映像美やロックテイストを求めるのならお薦めです。
作品の詳細
作品名:ラストデイズ |
原作名:Last Days |
監督:ガス・ヴァン・サント |
脚本:ガス・ヴァン・サント |
公開:アメリカ 2005年7月22日、日本 2006年3月18日 |
上映時間:97分 |
制作国:アメリカ |
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