フランツ・カフカの幻視的文学「審判」を、『市民ケーン』のオーソン・ウェルズが監督映画化!
ストーリー:無数の机が並び、無言で背を向けてタイプする行員たち。ジョゼフ(アンソニー・パーキンス)はここの管理職だった。ある朝、身に覚えのない罪で“逮捕”を宣言される。しかし、拘束されることはなく、就業時間後開かれる審理に出席。傍聴人すら仕込まれており、疑心暗鬼に陥る。叔父マックスが紹介する弁護士ハスラー(オーソン・ウェルズ)も裏では当局とつながっており、ジョゼフはその付添いの看護婦と刹那的な情事に耽り逃避するが、彼女は“男なら誰とでも”と自ら言うような女で、彼を惑乱させる・・・。
出演:アンソニー・パーキンス、オーソン・ウェルズ、ジャンヌ・モロー、ロミー・シュナイダー、エルザ・マルティネリ、シュザンヌ・フロン、マドレーヌ・ロバンソン、マイケル・ロンズデール
★★★★★ 映画化不可能といわれた小説世界を見事に再現
オーソン・ウェルズが監督・出演した本作は、不条理の作家カフカ原作だけにやや難解な映画だった。物語は銀行マン、ヨーゼフ・Kがある朝突然逮捕されるところから始まる。彼には全く身に覚えがないまま、次々に繰り広げられる不条理と混沌の世界、映画化は不可能と言われていた原作だが、ウェルズは果敢に小説世界を再現、近未来の情景は一部M・アントニオーニ監督の「太陽はひとりぽっち」にも似たタッチで描かれている。荒涼とした場所に集合住宅が立ち並ぶ光景は、いかにも異様だ。コントラストの強いモノクロ映像、お得意の表現主義の手法なども交えたウェルズらしいスケール感溢れる余裕の演出だった。アンソニー・パーキンスも彼独特の不安定な内面を表現、彼に絡むJ・モローをはじめR・シュナイダー、E・マルチネリらの女優陣もそれぞれ持ち味を十分発揮していた。テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」には、随所に本作へのリスペクトが感じられる。
作品の詳細
| 作品名:審判 |
| 原作名:The Trial |
| 監督:オーソン・ウェルズ |
| 脚本:オーソン・ウェルズ |
| 原作:フランツ・カフカ『審判』 |
| 公開:1962年12月22日 |
| 上映時間:118分 |
| 制作国:イタリア、フランス、西ドイツ |
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