ドラマ

偉大なるアンバーソン家の人々

オーソン・ウェルズが『市民ケーン』に続き監督したダイナミックな人間ドラマ

ストーリー:19世紀末、アメリカ中西部の町。青年発明家のユージン・モーガン(ジョセフ・コットン)は地元の名家アンバーソン家の令嬢イザベル(ドロレス・コステロ)にプロポーズをするが、彼女は青年事業家のウィルバーとの結婚を選んでしまう。やがてイザベルとウィルバーの間に息子ジョージが生まれるが、ひたすら甘やかされ溺愛されたジョージはわがままで傲慢な男に育ってしまう。時は経ち、町を離れていたユージンは自動車のエンジニアとして成功し、娘のルーシー(アン・バクスター)と共に戻ってくる。アンバーソン家主催で開かれたパーティでユージンは夫ウィルバーを亡くして未亡人となったイザベルと再会する。彼は再びイザベルに結婚を申し込むのだが・・・。

出演:ティム・ホルト、ジョセフ・コットン、ドロレス・コステロ、アン・バクスター、アグネス・ムーアヘッド、レイ・コリンズ、リチャード・ベネット、エルスキン・サンフォード

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★☆☆ 大きなお家の普通の人々

ブース・ターキントンの同名小説を原作とする、デイヴィッド・スミス演出の “Pampered Youth (1925)” に続いての二度目の映画化で、オースン・ウェルズの第二作にあたる1942年作品。前作『市民ケーン (1941)』が公開時の妨害工作なども祟って興行的に振るわなかったことが影響し、大幅な短縮・改変を余儀なくされ、結末部分も本来の意図とは異なる追加撮影によるものという、いびつな公開版の成立事情は無視できないが、作品内容にも問題点は含まれている。先立つ『市民ケーン』自体、時系列の枠組を排した自在な構成や、ディープフォーカスやロ―アングルをはじめとする凝った画面づくりで評価を得た作品であるが、そういった仕掛けの部分を省いてストーリーの骨格だけを整序すれば、単なる通俗劇といって差し支えない。本作も似たようなもので、あるいは原作はまた違った趣きなのかも知れないが、内容的にはありふれたメロドラマであり、前作と異なり構成が通常の叙述に則っているぶん余計に筋書のつまらなさが浮き彫りになっている。本国では『市民ケーン』より上位に置く評価もあると聞くが、仮にこの短縮版が、チェーホフ風の苦味を残すというオリジナルの結末部分を含め、ウェルズの意図どおりに増補・復元されたとしても、大筋から全面的に書き替えられているのでもない限り、顕著な質的変化が望めるか甚だ疑問である。出演はジョゼフ・コットン、レイ・コリンズ、アグネス・ムーアヘッドといったウェルズ組の人たちにティム・ホルト、ドロレス・コステロ、アン・バクスターなどを加えた面々。コットンは相変わらず面白味に欠け、ホルトは大きな役なのに『黄金 (1948)』などより落ちる生硬な芝居で力不足、終盤に向けて次第に陰鬱で湿っぽい演技に覆われていく中、バクスターが一人溌剌と生気を放っているさまは一種異様である。

作品の詳細

作品名:偉大なるアンバーソン家の人々
原作名:The Magnificent Ambersons
監督:オーソン・ウェルズ
脚本:オーソン・ウェルズ
公開:アメリカ 1942年7月10日、日本 1988年4月1日
上映時間:88分
制作国:アメリカ
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