文豪H・G・ウェルズの原作を映画化した近未来SF
ストーリー:1940年、都市エヴリタウンが突如、多数の爆撃機により空爆される。世界戦争は20年続きエヴリタウンは廃墟に。燃料も無いこの街に、謎の未来的な小型機が飛来する。軍の残党が支配していたこの街を多数の未来爆撃機の乗務員が平和的に解放する。2054年エヴリタウンは、難工事により巨大地下都市へと大変貌していたが・・・。
出演:レイモンド・マッセイ、サー・セドリック・ハードウィック、マーガレッタ・スコット、ラルフ・リチャードソン、アン・トッド
★★★★★ 次にくるものは?!
SFの巨匠・HGウエルズが自分で脚本を書いた心魂の一品だと思います。技術は今とは遥かに及びませんが、イデオロギーとしてはSFエッセンスたっぷりの名作です。時間も長くはないので、ぜひ見てほしいと思う。
★★★★★ よく作ったものだ
モノクロ、特撮はミニチュアでも、ここまでおもしろい映画が作れる、というのは驚き。現在ではカラーだ、サラウンドだ、CGだと騒いでいても薄っぺらい映画も多いが、結局はシナリオと制作者のセンスなのだろう。非常に興味深いのは、戦争で荒廃したエブリタウンがあたかも中世の町のように描かれていること、そして最後の未来都市の住民たちが古代ローマ風の衣装で現れるところ。キリスト教支配による中世暗黒時代の非合理性と野蛮に、古典的ギリシャ・ローマ文化の合理性と理想を対比させた、と見るのは深読みのしすぎだろうか。もしキリスト教がヨーロッパを支配せず、古代ローマ帝国がそのまま発展したら、少なくとも政治と科学技術の面ではずっと発達していたかもしれない、などと考えてしまった。
作品の詳細
作品名:来るべき世界 |
原作名:Things to Come |
監督:ウィリアム・キャメロン・メンジース |
脚本:H・G・ウェルズ、ラホス・ビロ |
公開:1936年2月20日 |
上映時間:108分 |
制作国:イギリス |
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