アナトール・リトヴァク監督が、精神病を抱えた病人の生活を生々しく描いたドラマ
ストーリー:精神病院に入院していた女が担当医の忍耐強い施療の結果、精神錯乱の遠因が救命された。しかし、彼女に嫉妬した看護婦により”蛇の穴”と呼ばれる凶暴な患者を収容する雑居房に入れられてしまうのだった・・・。
出演:オリヴィア・デ・ハヴィランド、マーク・スティーヴンス、レオ・ゲン、セレステ・ホルム、グレン・ランガン、メエ・マーシュ、リーフ・エリクソン
★★★★★ 一見に値する異色作
重症の精神錯乱を発症した女性作家(オリヴィア・デ・ハヴィランド )が、ある州立病院に収容され、電気ショックをはじめ現代では禁じられている荒療治を経験する。面接にあたった担当医(レオ・ゲン)は、病気の原因が幼児のころの家族関係にありそうだということをつきとめるが、このような病に無理解の幹部医師やナースの不手際により、病状は悪化の一途。ついに厄介な患者を集める病棟「蛇の穴」に投げ込まれる。当時流行ったニューロティック・スリラーだが、現在見ても迫力がある。エンディング近く、軽症患者のダンスパーティーで、女性患者の一人(ジャン・クレイトン)が「帰郷」を唄うシーンは感動的だ。もちろん、患者はすべて俳優が演じたが、音声は実際の録音で、本作がアカデミー録音賞をとったのは、このためである。いずれにせよ、実話の映画化としてリアリズムに徹したリトヴァクの演出により、精神病院改良の世論が高まったということも付記しなくてはなるまい。ハヴィランドの大熱演は一見に値する。
作品の詳細
作品名:蛇の穴 |
原作名:The Snake Pit |
監督:アナトール・リトヴァク |
脚本:フランク・パートス、ミレン・ブランド |
公開:アメリカ 1948年11月4日、日本 1950年3月7日 |
上映時間:108分 |
制作国:アメリカ |
製作費:380万ドル |
興行収入:1000万ドル |
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