ゴルバチョフ政権下のモスクワで、極秘情報をめぐって繰り広げられるスパイ戦!
ストーリー:共産党崩壊直前の旧ソビエトを舞台に、”ダンテ”と名乗る謎の小説家から英国情報部に世界の防衛体制を揺るがす極秘情報が舞い込んだ。ことの真偽を確かめるためCIAと協議する英国情報部は、原稿を運んだロシア人女性カーチャ(ミシェル・ファイファー)と、その出版を依頼されたイギリス人バーリー(ショーン・コネリー)との接触を計画。彼をス、パイとしてモスクワに送り込むのだが、そこには予期せぬ誤算が隠されていた・・・。
出演:ショーン・コネリー、ミシェル・ファイファー、ロイ・シャイダー、ジェームズ・フォックス、ジョン・マホーニー、クラウス・マリア・ブランダウアー、J・T・ウォルシュ、ケン・ラッセル、マイケル・キッチン
★★★★★ 知られざる佳作
ショーン・コネリー主演のスパイ映画。とはいっても007とは全く違う。イギリスとロシアの間で諜報戦が繰り広げられる訳だが、ショーン・コネリーはそれに巻き込まれる民間人という設定。スパイ映画だが007のようなガンアクションやカーアクションどころか、アクション皆無!!情報の奪い合いが地味に進むが、すごい緊迫感があるため退屈はしない。イギリスの命令で民間人でありながらスパイ活動をさせられるショーン・コネリーは、ロシアで謎を追う過程でミシェル・ファイファーに出合い、彼女ら親娘を亡命させる決意をする。そのために、ロシアだけでなくイギリスも欺くショーン・コネリー。果たして彼の作戦は成功するのか!?地味だが違いの分かる大人のための上質なエンターテイメント。ちなみに、この映画のサウンドトラックは、ジェリー・ゴールドスミスの最高傑作だと思う。全曲聞いても飛ばしたい曲がない!美しく切ないサックスのメロディーは、頭からしばらく離れないほどキャッチーだ。
★★★☆☆ 国際諜報を下敷きにした「恋愛映画」
ショーン・・コネリーとミシェル・ファイファーの演じる、中高年の恋愛ドラマとして考えるとたいへんすっきり。ただ、英国とペレストロイカ時代のソビエト連邦というそれぞれの国籍が複雑に影響を与える。まあ、恋愛の邪魔になるモノなんて、それこそ、言葉や金銭、宗教や趣味、親や子供にいたるまでそこらじゅうにあるわけで、たまたま、英米ソの諜報合戦の真っただ中で知り合ったというのは、超弩級の障害。それでも、普通にのんきなパーティなんかで知り合ったら、お互いの気持ちが近づいたかどうかなんてわからないし。ハッピーエンドか、バッドエンドかは見ていただけばよいことなのですが、出会いからエンディングに至るまでのお互いの感情の変化は、とても上手に表現されていると思います。今回は、たまたま巻き込まれた出版社社長役なのでジェームズ・ボンド的な激しいアクションをショーン・コネリーに期待すると肩すかしですが、007を離れた後の演技派のショーンコネリーを堪能するには良い作品だと思います。少し老けた役どころを演じているミシェル・ファイファーが徐々に美しくなっていく変化も、なかなか味がありました。
作品の詳細
作品名:ロシア・ハウス |
原作名:The Russia House |
監督:フレッド・スケピシ |
脚本:トム・ストッパード |
公開:アメリカ 1990年12月25日、日本 1991年5月25日 |
上映時間:123分 |
制作国:アメリカ |
製作費:2100万ドル |
興行収入:2300万ドル |
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