1944年、地中海に駐留した飛行部隊を描いたジョセフ・ヘラーの痛烈なブラック・コメディをマイク・ニコルズが見事に映画化した。そこには勝者と敗者、日和見主義者と生存者がいた。一人でも一緒でも、彼らは神経質で、恐怖に駆られ、しばしば下品な行動をとり、時には感傷的になるのであった。そしてほとんど全員が常軌を逸していた。キャッチ22は反戦をテーマにした雄大な風刺映画である。
出演:アラン・アーキン、マーティン・バルサム、リチャード・ベンジャミン、アート・ガーファンクル、アンソニー・パーキンス、ジョン・ヴォイト、オーソン・ウェルズ、ハリー・ディーン・スタントン、マーティン・シーン、ポーラ・プレンティス、エリザベス・ウィルソン、バック・ヘンリー、ボブ・バラバン
★★★★★ 反戦映画の金字塔
キャッチ22とは暗黙の軍隊規律。「精神異常者は兵役を免除する。しかし、自ら精神異常者と分かる者は正常だから対象にならない。」数々の理不尽な規則を突き付けられながらヨサリアン(アーキン)は、軍隊生活の中で戦争の矛盾を体験する。人間性を失う生活の中、現実と白昼夢が交差し、過去と現在、また希望さえも見失っていくのか・・・。驚くほど豪華な出演者たちが個性的な「異常者」を面白可笑しく演じます。昨今の戦争映画のようなアクション重視ではなく、戦場という特殊環境の中で人間性とは何かをブラックユーモアを通して追求します。プロットが複雑で難解に感じることがありますが、その意味でも画期的な、アメリカン・ニューシネマの代表的作品です。
★★★★☆ 強烈な原作を巧妙に映画化
第二次大戦。イタリアに展開する米軍爆撃機部隊。司令官、パイロット、軍医…一癖もふた癖もあるキャラクターたちが、不条理な戦場で怪しく生き、また死んでいきます。そしてその戦場を支配するルール「キャッチ22」とは?かなり強烈な戦争ブラック・コメディです。原作も素晴らしい不条理小説ですが、時系列を狂わせまくったこの不可思議な小説を、ある程度忠実に映画で再現しているのは凄いと思います。『メメント』やD.リンチ監督の時系列混乱系の作品が好きな方なら、ぜひお薦め。重いのか軽いのか、まじめなのかふざけているのか、このスカッとしない不条理さは、とにかく見ていただくしかないものです。また、映画にはB-25爆撃機の実機が登場し、その出撃シーンは壮観。ヒコーキ・ファンにも。
作品の詳細
作品名:キャッチ22 |
原作名:Catch-22 |
監督:マイク・ニコルズ |
脚本:バック・ヘンリー |
原作:ジョセフ・ヘラー『キャッチ=22』 |
公開:アメリカ 1970年6月24日、日本 1971年10月16日 |
上映時間:122分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1800万ドル |
興行収入:2400万ドル |
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