ドラマ

地獄に堕ちた勇者ども

『ベニスに死す』と『ルードヴィヒ』に挟まる名匠ルキノ・ヴィスコンティ監督のドイツ三部作の1編

ストーリー:一九三三年、ナチス勃興の時代。巨大な権勢を誇るエッセンベック男爵(アルブレヒト・シェ-ンハルス)の一族内では家の実権を狙って骨肉の争いが繰り広げられていた。そしてエッセンベック男爵の従兄でナチ親衛隊の幹部アッシェンバッハ(ヘルムート・グリーム)の策略により、男爵家は一気に崩壊へと向かう・・・。

出演:ダーク・ボガード、イングリッド・チューリン、ヘルムート・バーガー、ラインハルト・コルデホフ、ルノー・ヴェルレー、シャーロット・ランプリング、フロリンダ・ボルカン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ やはり重量感があります。

なんというか「やはりビスコンティやな」っと思わせてしまう重厚さでした。ヒトラーが台頭する虚虚実実の駆け引きの流れを知っていないとこの映画の面白さは半減するかもしれません。なぜナチス同士が殺しあうのか?って途中で訳が分からなくなる人もいるでしょうから。この事件で唯一ヒトラーを「おい」って呼べた同士(突撃隊のレーム)を抹殺してしまうことになります。まあこれで誰も気兼ねする人はいなくなったわけです。ドイツ人の映画のはずが英語ですし、スウエーデンの大女優イングリッド・チューリンからイギリスのシャーロット・ランプリング(この人この手の映画よく出ますね)、青年はフランスのルノー・ベルレーでしょうか??俳優さんは盛り沢山です。ラストシーンは狂気ムンムンですね。ビスコンティはナチスを狂気と見たのでしょうか?

★★★★☆ 神々の没落

冒頭から引き込まれる。互いの立場をけん制しあい、行われる会話。上流階級の誕生日パーティー、マルティンの過激な女装演技。ナチスが台頭していくと共に、名門エッセンベルク家が凋落していく。母親からの愛を得られず、幼児への愛に傾倒するマルティンが最終的に選ぶ道は原題は「神々の没落」、まさに貴族=神であった時代の崩壊をうまく描いた作品。ルキノビスコンティが寵愛していたヘルムートバーガーの演技は「巧い」というよりは魅力的。

作品の詳細

作品名:地獄に堕ちた勇者ども
原作名:The Damned
監督:ルキノ・ビスコンティ
脚本:ルキノ・ビスコンティ、ニコラ・バダルッコ
公開:イタリア 1969年10月14日、日本 1970年4月11日
上映時間:157分
制作国:イタリア、西ドイツ、スイス
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