その男は600万人を虐殺した怪物。サディスティックな人物像に迫る!
ストーリー:アドルフ・アイヒマン(トーマス・クレッチマン)。第2次大戦中、「ユダヤ人問題」の専門家として収容所における大量虐殺に関与。戦後、アルゼンチンへ逃亡するが、イスラエル諜報機関によってイスラエルへ強制連行される。1960年、アイヒマンの裁判に向けた尋問のためアヴナー・レス警部(トロイ・ギャリティ)が選任される。彼の任務はただ一つ。600万人にのぼるユダヤ人虐殺への関与を認めさせること。しかし、アイヒマンはユダヤ人の移送に関わっただけで虐殺の関与は否定し、罪を認めようとしない。アヴナーの粘り強い尋問も平然とかわすアイヒマン。そしてアイヒマンへの復讐に燃える市民の圧力も高まり、取り調べは困難を極めていく。はたしてアヴナーは虐殺の証拠を見つけ出し、アイヒマンは罪を認めるのか?裁きのときは近づいてくる・・・。
出演:トーマス・クレッチマン、トロイ・ギャリティ、フランカ・ポテンテ、スティーヴン・フライ、ディレイン・イエーツ、テレーザ・スルボーヴァ、ユディット・ヴィクトル、ステファン・グライフ
★★★☆☆ 「こうであって欲しかった・・・」という映画。
アドルフ・アイヒマンは、この作品に描かれている様な人物ではない。ごく「普通」の、そして「自分に自信がない」・・・そんな人物だ。その「普通」の人が、500万人ものユダヤ人の「死」に関わった・・・。ヒトラーその人に殺されるのなら、ある意味「納得」が出来るだろう。しかし、アイヒマンに殺されるのはちょっと・・・。そう思ったユダヤ人は、数えきれないほど存在しただろう。だからこそ、アイヒマンの公開裁判は、世界中で物議を醸したのだ。この作品は、アドルフ・アイヒマンという人物に対する「入門編」と位置付けるのが良いと思う。彼がどんな事をしてきたのか、一通りは知る事が出来る。しかし、アイヒマンの「実像」をこの作品に求めるのは、少々無理があるだろう。この作品で描かれているアイヒマンは「出来る男」だからだ。多くの人々が、アイヒマンに対して「いかにも悪人であって欲しかった」という気持ちを抱いたのだろう。そして、この作品が創られた。それは仕方がない事だとは思う。ただ、「真実」は、この作品のとおりではない。「こうであって欲しかった」・・・その気持ちは理解できる。これは、そういう作品だ。
作品の詳細
作品名:ヒトラーの審判 アイヒマン、最期の告白 |
原作名:Eichmann |
監督:ロバート・ヤング |
脚本:スヌー・ウィルソン |
公開:2007年9月 |
上映時間:100分 |
制作国:イギリス、ハンガリー |
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