ソ連屈指の文化都市レニングラード(現サンクトペテルブルク)が耐え抜いた激動の900日。イギリス人ジャーナリストと兵士たちが見た衝撃の真実とは・・・
ストーリー:ドイツ軍がモスクワに次ぐソ連第2の都市、レニングラードを侵攻した1941年。イギリス人ジャーナリストのケイト(ミラ・ソルヴィノ)は現地で激しい空襲に合い、孤立してしまう。アメリカ人ジャーナリストの恋人フィリップ(ガブリエル・バーン)とも離ればなれになり、レニングラードを出ようとしてもドイツ軍の包囲網が彼女の行く手を阻んでいた。帰る術を失ったケイトを救ったのは、ソ連の市民兵ニナと2人の子供たちだった。ケイトは激化してゆく包囲戦の中で、敵軍の攻撃と悲惨な飢餓を相手に、生き残ることが出来るのか。そして徹底抗戦を決めたレニングラードの運命は・・・。
出演:ミラ・ソルヴィノ、ガブリエル・バーン、アレクサンドル・アブドゥロフ、ウラジミール・イリン、ミハイル・イエフレモフ、オルガ・スチュワバ
★★★★★ レニングラード包囲時の住民の苦難を、リアルに映像化した映画。
ロシアの独ソ戦映画はあたりはずれがありますが、これは良作だと思います。レニングラード包囲の住民の苦難をあまり詳細に描写しようとしすぎると観るに堪えない悲惨な映像になると思いますが、平和な他の地域の場面切り替え、音楽、人間ドラマなどで見どころがある様に工夫されていると思います。ロシアの戦争映画は政治や戦記については多くを語らないので、独ソ戦とレニングラード包囲の特殊さが分からないと背景や何を言わんとしているか分かりづらいので、レニングラード包囲のについてインターネットで調べてから観た方がよいかもしれません。私は「レニングラード封鎖: 飢餓と非情の都市1941-44 」を読んでいて、細部のシチュエーションまで当時の想像を絶する状況をよく再現しようとしたなと関心しながら観ました。戦闘シーンはあまりありませんが、冒頭に出てくる戦いはかなり迫力があると思います。粛清後の戦力低下からのバルバロッサの混乱で、赤軍がなすすべもなくどしゃぶり状態で戦わざるをえなかった状況をよく現わしていると思いました。DVDの表紙が空中戦の話と誤解させてしまう感じですが、実際はレニングラード包囲の悲劇、友情(それも女性同士の友情)にフォーカスした話という前提で観た方がよいと思います。
★★★★☆ 予想と違ったけど、暇つぶし以上はなる良作でした。
パッケージを見ると、派手にドンパチがある戦争映画だと思い、購入したのですが、補給路を絶つ地味な籠城戦の舞台となるのがレニングラードだったみたいです。こうした予備知識を持っている人であれば、違和感をなく楽しめると思いますが、上述している様に、派手にドンパチがある戦争映画だと思っていましたので、序盤はガッカリとしてしまいました。しかし、その後の飢餓との戦いであったり、主人公の女性二人の動きを見ているうちに、徐々に作品に引き込まれてしまいました。最初に期待を裏切られて所で、今度は良い意味で期待を裏切る濃い内容の映画となります。確実にB級映画になると思いますが、掘り出し物感は大きい作品ですね。最後のまとめ方についても、ホッと出来る終わり方となっていて、トータル的に良作の部類になる作品だと思います。戦争映画の場合、最後に救いがないと、ちょっと後味の悪さが残りますからね。
作品の詳細
作品名:レニングラード 900日の大包囲戦 |
原作名:Attack on Leningrad |
監督:アレクサンドル・ブラフスキー |
脚本:アレクサンドル・ブラフスキー |
公開:ロシア 2010年1月21日 |
上映時間:110分 |
制作国:イギリス、ロシア |
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