孤独な刑事。すべてをかけた最後の追跡
ストーリー:ニューヨーク州郊外。両親を殺した少年エリック(ジョン・フォスター)が2年間の服役を経て出所してきた。この事件を担当していた刑事クリストフオロ(ラッセル・クロウ)は、エリックが未解決の2人の少女殺害事件にも関与していた連続殺人犯ではないかと疑い、捜査を始める。一方、16才の少女ローリは、ニュースでエリックの姿を見た瞬間、強い衝動に駆られ家を飛び出した。そして、エリックに会いたい想いが現実となった時、2人は当てのない逃避行へと旅立つ。クリストフオロは、エリックの不穏な動きから新たな犯行を予感し尾行を開始するのだが・・・。
出演:ラッセル・クロウ、ジョン・フォスター、ソフィー・トラウブ、ローラ・ダーン、アレクシス・ジーナ、アリヤ・バレイキス、ティム・ホッパー、ヴィヴィアン・ベネシュ、ターニャ・クラーク、マイケル・ケリー、C・S・リー
★★★★☆ 思春期と純愛、そして悲劇
性倒錯殺人犯の少年と、彼を慕う少女の物語。派手さはないものの、刑事役にラッセル・クロウを配置することで緊張感と説得力の持続は怠りなく、無駄のないシンプルなドラマに仕上がっている。分かり易く言えば少女マンガに近い感覚はあって、強がってはいるが、情念を抑えきれない思春期の少女の『行動』に泣けるかどうか。純愛物として印象深い作品。繊細な感性を持った方におすすめ。
★★★★☆ 若者の扱いにくさを扱った作品
クレジットでは一応主役扱いのラッセル・クロウも、実際は若い男女の役者さんが物語の軸となっている。日本では劇場未公開で、雰囲気的にもB級に感じられるが、なかなかどうして、この作品、コアなサスペンス好きをうならせる凄いストーリー展開だ。英語のタイトルは“Tenderness”で、敏感とか扱いにくさの意である。つまり、多感な思春期のとんがった部分を観念的に表現しているのだと思われる。若者の扱いにくさをテーマにした作品であるにもかかわらず、青春の蹉跌に苦悩する人間の赤裸々な姿に、思わず絶句してしまう。賛否両論ある作品であろう。
作品の詳細
作品名:チェイシング/追跡 |
原作名:Tenderness |
監督:ジョン・ポルソン |
脚本:エミール・スターン |
原作:ロバート・コーミア『心やさしく』 |
公開:アメリカ 2009年12月11日、日本 劇場未公開 |
上映時間:101分 |
制作国:アメリカ、オーストラリア |
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