鬼才テリー・ギリアム監督の伝説のカルトSF!
ストーリー:20世紀のどこかの国では、全国民のプライバシーを国家が管理していた。その国の情報局で働くサム(ジョナサン・プライス)は退屈な日常から逃げ、天使のような娘と空を飛ぶことを夢見る。彼は上司カーツマン(イアン・ホルム)に命じられ、手違いで手配中のテロリスト、タトル(ロバート・デ・ニーロ)の代わりに拷問にかけられ死んだ靴職人の家を訪ねる。するとあの夢の中の娘とそっくりな女性ジル(キム・グライスト)と出会う。実は当局は事件の唯一の証人ジルを抹殺しようとしており、そのことに気付いたサムは・・・。
出演:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、キム・グライスト、マイケル・ペイリン、キャサリン・ヘルモンド、ボブ・ホスキンス、デリック・オコナー、イアン・ホルム、イアン・リチャードソン、ジム・ブロードベント
★★★★★ 初めて観た時の衝撃は忘れない。
テリーギリアムの代表作と言われるこの映画、好きな映画10作上げろと言われたら確実に入る1作。独特の世界観なので賛否両論あると思いますが、私はこの世界観にどっぷり浸った派です。主人公の行動がすべて「悪い方向」に向かって行くという流れは、実際ありそうな話で私自身背筋に寒い物が走りました。しかし、何にしろ面白い。是非一度は観るべき作品だと思う。
★★★★★ お面が怖い・・・
いろんなことを考えさせられますね。ギリアムも大好きな監督です。近未来へのブラックでシニカルな風刺、ってとこですか。美容整形したあげくドロドロの死体になるグロテスクなおばさん・・・血の気が引くほど怖い、絶望的な強烈ラスト・・・最後の軽やかなブラジルのメロディが虚しく耳に残ります。管理社会では、夢想するのが関の山、ってね。こんな未来はかんべんですね。
★★★★☆ 音楽も素晴らしい
人を選ぶタイプの映画ですが名作だと思います。とにかく近未来の世界観設定が素晴らしい。この監督は絶妙のジョーク感覚の持ち主です。ところで、この映画、無意味にブラジルをタイトルにしているだけあって名曲「ブラジル」をいくつかアレンジして使っています。まあ、他にも微妙な京都の歌とかありますけど。是非、サントラでこのアレンジされたブラジルを聞いて欲しいですね。かなり感動します。
★★★☆☆ 同じ発想のパターン
官僚的管理社会と自由の対比という伝統的テーマにTerry Gilliamが「挑んだ」コメディ。コメディという雰囲気の中にシナリオのロジックの適当さ(あえて曖昧さとは言わない)を覆い隠している。しかし、いまさらに絵に描いたような官僚的管理社会だなあ、と少しくうんざり。むしろ、紙の無駄遣いと中央集権的いや中央制御的情報システムのイメージと、それがテロリストによって爆破されるという目標の短絡化あたりが笑える。しかしそれでも管理社会は生き残るわけだから分散データベースは当然生きていた、ということになるだろう。フレネルレンズを利用した小さいCRTを使ったコンピュータのイメージは、Terry自身の持っている「何か訳のわからないコンピュータ」というイメージを具現したものだろう。彼にはコンピュータ、というか情報社会の本当の怖さは分かっていないと思う。本当の意味で、1984年やこの作品を越えた新しい情報管理社会の怖さを描いた映画ができると面白いのになあ、というのが感想。
作品の詳細
作品名:未来世紀ブラジル |
原作名:Brazil |
監督:テリー・ギリアム |
脚本:テリー・ギリアム |
公開:フランス 1985年2月20日、日本 1986年10月10日 |
上映時間:143分 |
制作国:イギリス、アメリカ |
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